Blooming Wooing Audio

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HiBy R6ProALのレビュー(Hiby Music)

Hiby MusicのDAP、「HiBy R6ProAL」のレビューです。

 

DAPとして、ここ数年iPod Touchを使っていたのですが、バッテリーが膨張しはじめました。後継として年末にHiby R6ProALを購入しましたのでレビューします。

基本的にはShureのKSE1500との接続して使用したレビューです。

DAP購入に当たって、KSE1500との接続が前提になります。今までは、KSE1500にデジタル入力して聴いていたのですが、今後は前段でDA変換してアナログ入力することを考えました。そのため、3,5mmのラインアウトがイヤホン端子とは別にあることを重視して、機器を選定しました。

 

Hiby R6ProALについて

Hibyはここ数年、ポータブルプレーヤーなどでシェアを広げている中国のメーカーです。ハイエンドという感じではありませんが、そこそこのお値段でなかなかのレベルの機器を出している印象です。

 

R6ProALですが、中々複雑です。元々出ていたR6というHibyの中では中の上くらいのラインのPro版がありました。Pro版ではシャーシがステンレスだったのですが、それをアルミに変えたのがR6ProALということになります。

 

R6ProALはAndroidベースのDAPで、スマホなどと同じくOSはAndroidです。バージョンは8.1なので、最新ではありませんが、そこまで古いものではありません。もちろん、オーディオプレーヤーとしての利用がメインで想定されていますが、ストアアプリからアプリをインストール出来るので、色々なことに使えます。

 

端子としては4.4mmのバランス出力と3.5のミニプラグ。そして3.5のラインアウト/デジタル出力があります。充電とPC接続にはUSB-C。また、MicroSDに対応しています。

 

音楽再生には専用のHibyのアプリを使うのが基本ですが、サードパーティ製のアプリ(HF Playerなど)もインストール可能です。また、Amazon Musicなどのストリーミング系のアプリも普通に使えるので、そちらメインで音質を高めたい人には便利だと思います。

 

また、DAPとしてだけではなく、PCに繋いでUSB DACとしても利用が可能です。

 

 

音質レビュー(デジタル出力)

まずはKSE1500にデジタルで繋いで聴いてみました。ipod touch時代と比べて、トランスポートだけが変わったことになります。

KSE1500には付属品としてUSBケーブルがついているのですが、Type-Cのものはありません。別途OTGケーブルを用意する必要があります。今回、FIIOのFIO-CL6を購入して接続してみました。

 

聴いてみると、ipod touchと繋げたときと、似たような音がします。(DAC以降が同じなので当然ですが)少し音の表現が細かくなったかな、くらいで、あまり大きな変化は感じられませんでした。

 

 

 

音質レビュー(アナログ出力)

今度はR6ProALのラインアウトからKSE1500のアナログイン端子に接続します。KSE1500に短いアナログケーブルが付属しているのですが、L字の方が取り回しが良いかと思い、オヤイデのHPSC-LLを購入して接続しました。

 

一聴して音が変わりました。デジタル出力したときよりかなり音が良くなります。

バランスはかなりロー上がり。低音がかなり強く出ます。それも、ブーミーな無理に持ち上げた感じではなく、かなり低いところから自然に聞こえてくる感じです。イヤフォンとは思えないほど、存在感のあるベースラインが聞こえて来ます。

また、音の細やかさはかなり高いものがあります。一つ一つの音が明確に輪郭を持って聞こえてきます。しかも、ちゃんと音楽として絡み合っているというか、あまりうるさい感じがしません。音場もより明確になり、奥行きもかなり感じられるようになりました。音色としてはややモニタライクなしっかりした音です。ノイズ感も少なく、機器としてのレベルの高さが解ります。

 全体的に、大変満足できる内容でした。

OYAIDE HPSC-LL ステレオミニケーブル

OYAIDE HPSC-LL ステレオミニケーブル

  • メディア: エレクトロニクス
 

 

その他の使い方

もちろん、普通のイヤフォンを繋ぐことも出来ます。3.5mmのイヤフォン端子にK3003を繋いで聴いてみました。SU-AX01と比べています。

こちらもラインアウト同様、かなりのロー上がりです。それでも不自然な感じはあまりしません。音の細やかさ、音場感、音色の綺麗さも、K3003の特長を生かしつつ、かなり鮮明に音楽を描き出してくれます。

 

また、USB-DACとしても使ってみました。付属のUSBケーブルでPCから繋いで、ラインアウトからP-700uのRCAに入れてPro iESLを噛ませて、SR-009で聴きます。普段使っているDA-06との比較になります。

イヤフォンを繋いだときに比べ、そこまでロー上がりな感じはしません。全体的によく聞こえるのですが、やや味気ない印象があります。

ただ、このサイズのポータブル機でここまでの音が出るのか、と驚きました。正直、DA-06との勝負では厳しいですが、価格とサイズが全然違うことを考えると、かなり善戦していると思います。

たとえば、普段ポータブル環境で聴いている人が、家でも大型のヘッドフォン(HD800とか)やスピーカーで音楽を聴きたいとなったときに、専用の据え置きDACを買うのではなくR6ProALをDACとして使う、というのは十分選択肢になると感じました。

 

本当なら、4.4mmバランス出力のレビューもしたいのですが、残念ながら対応するイヤフォンを持っていません。(今までプレーヤーがなかったので当たり前ですが)KSE1500もK3003もリケーブル非対応なので、ちょっとケーブルを買って、というのもなかなか……。HD800をドライブするのは大変だと思うので、出来るとしたらHD25くらいですかね。

 

まとめ

全体的に見て、コストパフォーマンスの良いDAPだと思います。6万前後とは思えないほどアナログ出力の音はとても優れていますし、ラインアウト、バランス出力もあり、端子は豊富です。Androidベースなので、色々なアプリが使えますし、DACとしても利用可能です。

 

音色としてはかなりロー上がりな印象があるので、そこを気に入れば、かなり満足できる機種だと思います。