Blooming Wooing Audio

オーディオや音楽についてのblogです。手持ち機器のレビューやイベント参加感想など。

E5 Studioのレビュー(Re・leaf)

Re・leafのヘッドフォンアンプ、E5 Studioのレビューです。今回は、純粋にヘッドフォンアンプとしてのレビューです。

 

Re・leafは日本のメーカーで、オーディオ製品以外も超高級な製品を色々出している会社です。2月に、アウトレット品がセールになっていたので、つい買ってしまいました。

 

Re・leafとE5 Studioについて

Re・leafについて知ったのはヘッドフォン祭に出ていたブースでした。最初はE1という、音は無茶苦茶良いけど値段もとんでもないアンプ、という印象でした。その後、E3 Hybrydという手の届く価格帯の製品が出てきて、その音に非常に良い印象を持っていました。

 

E3 hybridは「電流駆動」と「電圧駆動」という2種類の回路を持っています。メーカーとして押しているのは「電流駆動」の方とのことで、たしかにとても良い音がします。しかし、「電流駆動」はかなりヘッドフォンを選びます。物によっては音割れする機種があるらしく、そうしたヘッドフォンは「電圧駆動」で対応するように、とされています。

 

E5 studioは、E3 Hybridの「電流回路」のみを取りだし、一部部品を変更した製品ということになります。なので、前述の、使うヘッドフォンを選ぶ、という点については解決していません。

 

というだいぶ癖のあるヘッドフォンアンプなのですが、まあ、苦手なヘッドフォンはP-700uで鳴らせば良い、と割り切って購入してしまいました。ヘッドフォン祭で聴いた音にとても惚れ込んでおりましたので。

 

外観とスペックと電源アダプタ

Studio向けと言うことで、外見は大変素っ気なく、真っ黒な業務用機器、という印象です。個人的には、以前持っていた、LEHMANNAUDIO のBlack Cube Linear PROを彷彿とさせます。

端子としては、ヘッドフォン出力にXLR4pinのバランスと6.3のアンバランス。アンバランスを挿していると、そちらが優先されます。

入力はXLRのバランスとRCAのアンバランス。背面に入力とゲインの切り替えスイッチがあります。機能としては単なるアナログバランスヘッドフォンアンプですね。また、15Vの電源アダプタが付属しています。この値段の製品で、電源アダプタが外付けなのは珍しいですね。

 

付属の電源アダプタなのですが、特にオーディオ向けの製品でもなく、普通にその辺で2000円くらいで売っているアダプタです。改善の余地がありそうなので、またシンガポールからiFiのiPowerX(15V)を個人輸入しました。これはかなり効果があったような気がします。アンプの値段が値段なので、ここはもう少しどうにかならなかったのか、と思いますが……。

 

環境とバランス端子について

さて、肝心の音の感想です。構成としてはPC → DA-06 → E5 studio → ヘッドフォンとなります。USBケーブルはiFiのGemini、インターコネクトケーブル(バランス)はST-1Q。電源はAray 6 MkIIから取っています。

 

ヘッドフォンですが、今までP-700uを使っていたため、バランス接続はXLR3pin×2でした。E5 studioはXLR4pinなので、プラグをせっせと付け替えました。 iHP-4F3を持っているので、P-700uにXLR4pinのヘッドフォンを繋ぐこともできますからね。

 

アンバランスのPS2000eについては、E4UAというプロの方にお願いしました。リケーブル可能な機種なら、失敗してもケーブルだけ付け替えれば良いので気楽ですが、直付けのはちょっと自信が無いので………。ケーブルの中がどうなっているのか、切ってみないと判らないですしね。

しかし、結果としてこれは大正解でした。そもそもXLR4pinは端子の候補がほとんど無いうえ、聞き比べる機会がありません。ネット上でも比較記事などは見つからないのです。今回、E4UAさんにお願いしたことで、アドバイスや提案などを頂き、純銅プラグの端子にすることにしました。

 

また、HD800(リケーブル済み)は、プラグを切り落とし、NEUTRIKの4pinの端子に自分で半田付けしました。K701も今度付け替える予定です。Edition9は……、これも直付けですし、とっくの昔に販売終了しているので悩んでいます。

 

音質について

さて、肝心の音質です。基本的にはP-700uとの比較です。

基礎性能としてはもの凄く高いものがあります。帯域バランスはかなりフラット。特筆すべきは帯域の広さです。超低音から超高音までしっかりと出ます。音色はかなり細かくキレイにでます。一つ一つの音がとても表現豊かに出てくる印象です。P-700uと比べると、音の輪郭がよりくっきりしている印象。制動がはっきりしていて、出るときは出る、止まるときは止まる、ということが正確に行われていることが解る感じがします。

 

PS2000eで聴くと、暴れん坊だったヘッドフォンが、魅力はそのままにしっかりと制御されているような印象がります。特に低音は素晴らしくなり、量感を持ちながら、それでいてタイトなベースラインを聴かせてくれます。一番の魅力である中音域はより生き生きと聞こえて来て、とても楽しく音楽を楽しめます。高域も煌びやかでいながら耳に刺さるようなこともなく、とても綺麗に聞こえて来ます。ポップスやジャズを聴くのに本当に素晴らしい環境になります。

 

HD800にすると、よりモニタライクな音になります。レンジと音場の広さが際立ち、とても見通しが良い音楽になります。オーケストラの一つ一つの音がはっきり聞こえてくるような、空間表現がとても魅力的です。

 

まとめ

E5 studioはかなり癖がありますが、とても良い音を出してくれるアンプです。特に、帯域の広さとバランスの良さは他の追随を許さないものがあります。音色に関してもとても魅力的にヘッドフォンの良さを引き出してくれます。この音色が、(スタジオ向けだからか)この値段で聴ける、ということは大変なことだと思います。

ただ、電源アダプタは変更した方が良いと思います。

 

後日、E5 studioからiFi iESLに繋いだときのレビューもします。