Blooming Wooing Audio

オーディオや音楽についてのblogです。手持ち機器のレビューやイベント参加感想など。

Black Cube Linear PROのレビュー (Lehmann audio)

Lehmann audioのヘッドフォンアンプ、Black cube linear proのレビューです。

名前が長いのでBCLと略します。

 

Lehmann audioはドイツの音響機器メーカーです。

BCLにはいくつか種類があるのですが、これはPro。XLR端子が付いたバランス入力モデルです。他にRCA端子のモデルや、さらにUSB入力がついたものもあります。

 

BCL PROの機能

ヘッドフォンアンプですので、当然ヘッドフォン出力があります。6.3mmの標準プラグが二つ。バランス駆動のヘッドフォンには対応していません。

入力は前述の通り、XLR端子のみです。

他に、底面にゲイン切り替えがついています。4段階を左右別々に設定できるので、ヘッドフォンの能率に合わせて使い分けることが出来て便利です。

また、背面にはヒューズのホルダーがあり交換することが可能です。私はIsoclean powerのオーディオグレードヒューズに交換してあります。交換前と比べると、明らかに音が良くなります。もしかしたら電源コードの交換よりも効果は大きいかも知れません。そのくらいの差を感じました。

ヒューズ交換の話題は一時期よく議論になっていましたが、最近はあまり見なくなりました。しかし、音質に拘るなら、一度試してみる価値はあると思います。

 

BCLの音

傾向としてモニタ系の音です。派手さが無く、悪く言えば淡々と慣らしているように感じます。店頭で試聴などした場合には、あまりの地味さに評価を落としてしまうかも知れません。

しかし、聞き込めば聞き込むほど、このアンプの良さが解ってきます。地味なのは、どこにも不自然さがないから、だということに気が付かせてくれます。

DACから流れてきた信号を、本当に素直に増幅してヘッドフォンに届ける。それだけをしている印象です。人間に喩えるなら、研ぎ澄まされた職人芸のような、過不足無い見事な仕事ぶりです。

バランスはまさにソースそのまま。音場はやや広めですが、これもソースに依存する部分が大きいです。ロックだろうとクラシックだろうと、原盤に忠実であろうとする気概が感じられます。

また、不自然に強調されないため、微細な音の表現は非常に得意です。逆に言うと、やや音の線が細いと感じるかもしれません。ボーカルにねっとりとした艶やかさを求めるような方には合わないでしょう。しかし決して音楽的な部分を持ち合わせていないわけではなく、余計な味付けをしないことを第一に置いた結果だと思います。

 

総評

決して派手さは無いですが、基礎能力が非常に高い優秀なモデルです。

それぞれに音の好みがあると思います。しかしその使い分けをヘッドフォンに任せ、その実力を存分に引き出すことに集中する。決して主役になろうとしな縁の下の力持ち。そんな称号こそがこのBCLには相応しいでしょう。