Blooming Wooing Audio

オーディオや音楽についてのblogです。手持ち機器のレビューやイベント参加感想など。

UM56のレビュー(Westone)

Westoneのカスタムイヤーチップ、UM56のレビューです。

 

Westoneと言えば、カスタムIEMで有名な老舗メーカです。昨今のイヤフォン熱の高まりと共に新規参入するメーカも増えてきましたが、実績という点で、Westoneを上回るところは無いでしょう。

 

そんなWestoneが出しているのがUM56です。これはイヤフォンでは無く、カスタムイヤーチップです。つまり、カナル型イヤフォンの耳に入れる部分だけを、耳に合わせてオーダメイドで作成する物です。

 

一般的なカスタムIEMに比べ、耳に入れる部分のみだけであるため、装着感や遮音性に関しては若干劣るかと思われます。一方、大抵のカナル型イヤフォンで使用できるため、ユニバーサル型のお気に入りがある場合には、非常に魅力的な選択肢になります。

 

作成まで

さて、そんなわけでお気に入りのK3003用にUM56を作成しました。お店に行って、耳型を取り、その場でオーダしました。耳型を取る際に、口を開け閉めすると、耳の中が動いてしまうらしく、何かを咥えたまま、五分ほど待ちます。なるべく口を開けて取った方がフィット感は良くなる、と説明を受けて、大きめの塊を咥えてとりました。

 

オーダメイドだけあって、納品まで1ヶ月ほどかかりましたが、仕方が無いところでしょう。その場でざっと装着感などをチェックしましたが、特に問題は感じませんでした。

 

装着感など

いままで使っていた、K3003+Spiral dot (L) 環境との比較です。

 

装着感は、やはり圧倒的に良いです。耳にしっかりフィットしていて痛くも無いし、激しく動いてもずれません。また遮音性も抜群に良く、音漏れもまったくありません。これだけでも買う価値があるくらいです。

逆に、外の音は殆ど聞こえなくなるため、安全には注意が必要そうです。また、装着にはややコツが要ります。

 

音質

肝心の音質です。全体として上品になるようなイメージでしょうか。

バランスとしては、Spiral dotに比べ、ロー上がりになります。ただブーミーに膨らむ感じは受けません。高音は全体的に量は少なくなりますが、抜けが悪くなることはないです。K3003の良い部分を伸ばしつつ、弱い部分も補ってくれる印象。

音の分離・波形の再現性はかなり向上します。元々、K3003は分離の良い機種ですが、さらに磨きがかかる印象です。

音場に関して定位も明確になりますが、左右の広がりはやや狭まります。逆に奥行きは少し広がった印象。鼓膜に近づくからでしょうか。

 

 

総評

まず、音質以外の装着感・遮音性だけでかなり快適になります。また、音質については、使う機種との相性も大きいとは思いますが、かなりのレベルアップが見込めます。

ただ、UM56はそれなりのお値段なので、元々が良いイヤフォンで無い限り、選択肢にはならないでしょう。イヤフォン自体をグレードアップした方が、大抵は効果は大きいと思います。

ユニバーサルのフラグシップモデルでお気に入りがあるなら、是非作るべきだと思います。