Blooming Wooing Audio

オーディオや音楽についてのblogです。手持ち機器のレビューやイベント参加感想など。

10MHz マスタークロック MA2(UPOCXO-MA2-OP18)のレビュー(Cybershaft)

Cybershaftのマスタークロック MA2(UPOCXO-MA2-OP18)のレビューです。元々クロックが気になっていたのですが、ちょうど良い条件のものがオークションに出ていたので買ってしまいました。

割と半信半疑で繋いでみたのですが、想定以上の効果にびっくりしました。

 

マスタークロックについて

オーディオアクセサリーの中にマスタークロックというものがあります。(アクセサリーと言うには、筐体も価格も大きいものが多いですが)これは、オーディオ機器がデジタル信号を処理する際に基準となる時間を制御するものです。

音はご存じの通り空気の波ですが、アナログ段ではこの波が電気信号で表されます。たとえば、DACでデジタル信号からアナログ信号に変換する際、時間の制御が均一でないと、波に歪みが生じ音質に悪影響を与えることになります。この時間の揺らぎを最小限に抑えるために、高精度に時間を制御するのがクロックの役目です。

DACをはじめとしたオーディオ機器にはクロックが内蔵されていますが、コストの関係などであまり高精度のものが積まれていないことが多いです。また、電源を共有していることからノイズなどの影響も出てきます。そのため、ハイエンドの機器の中には、外部からクロックを入力するための端子がついているものがあります。マスタークロックは、こうした外部クロック端子がついたモデルに、高品質なクロックを投入するための機器です。

 

サイバーシャフト社のクロックについて

サイバーシャフト社はクロックを製造している、ほぼ専業のメーカーです。オーディオ用だけではなく産業用のクロックなども製造しているほか、クロックに関連したアクセサリーである、クロック用のケーブルや外部電源を製造しています。

オーディオ用クロック製品としては、まずモデルがいくつかありますが、今回導入したMA2はオーディオ用のハイエンドモデルになります。

また、同じモデルの中でも、クロックの制度によってOP●●といったグレードがあります。数字で表されますが、大きい方が精度が高いことを意味します。下は04くらいから、上は21までありますが、数字があがるにつれて、価格も跳ね上がっていきます。

 

機器の構成について

もともと私が持っていた機器の中では、DACのSoulnote d-2にクロック入力がありましたので、これにクロック(UPOCXO-MA2-OP18)を繋いでいます。クロック自体の電源はサイバーシャフトの専用電源ではなく、iFiあらためSilent PowerのiPower2(15V)で供給しています。また、クロックとd-2の間はサイバーシャフトのBNCセミリジットケーブル(50Ω)で繋いでいます。d-2は外部クロックを使うためのスイッチが背面にありますので、これをオンに切り替えます。

 

音質とか

クロックは安定するまで時間がかかるということなので、クロックの電源投入後、2時間くらい待ってから聞き始めました。(最終的に安定するまで2週間ほどかかるそうです)

環境としては

PC or iFi Zen stream

 ↓

Soulnote d-2  ← ここにクロック入力

 ↓

Mjolnir audio Carbon CC

 ↓

STAX SR-X9000

となります。

 

一聴して、音が変わったことが判ります。全体的なバランスや帯域の傾向は変わりませんが、音が丁寧になったような、とでも言うのでしょうか。正確に音を奏でているような印象になります。

何というか、余計なものが剥がれたような印象で、音量を上げても不快な煩さを感じることがなくなります。静かな場面ではとことん静かになったような、とにかく音を汚す何かが浄化されたような感じがします。

元々使っていたDACやアンプ、ヘッドフォンのポテンシャルをさらに引き出しているような印象です。

 

総評

外部クロック入力は、かなり効果があると認識しました。オーディオ機器が本領を発揮しているように感じます。特に、歪みを感じにくくなり、いかにもハイエンドの音、に近づいた気がします。

クロック入力がある機器にしか使えませんし、クロック自体も高価なものですので、どうしても後回しにされがちだとは思いますが、一考する価値はあると思います。

正直、ここまで効果が大きいと思っていなかったため、良い意味で期待を裏切られました。現状ではDACにしか入力していませんが、もっと上流や他の機器にも使うことを健闘したくなるほどの衝撃でした。