Blooming Wooing Audio

オーディオや音楽についてのblogです。手持ち機器のレビューやイベント参加感想など。

OMNI USBのレビュー(Silent Power)

SilentPowerのオーディオ用USBコンディショナー、OMNI USBのレビューです。

 

我が家では、PCからの再生をすることが多いですが、ただの自作PCであって、ハードウェア的にオーディオ用の対策をしているわけではなく、PCから出ているノイズや信号の精度については、以前から不安がありました。ただ、PCそのものに手を加えるのは難しく、うまく信号だけを処理できればと考えていました。

 

さらに、先日Cybershaftのマスタークロックを導入し、あまりの変化の大きさに感動しました。そこで、他にクロックの恩恵を得られる箇所はないかと考えていたときに、このOMNI USBが発売されたため注目しており、今回セールになっているのを見つけたのですぐに買ってしまいました。

 

OMNI USBについて

iFi Audioあらため、Silent Powerが発売した、USBコンディショナーです。

USBコンディショナーなので、その名の通りUSBに流れるノイズを制御したりするものです。類似の製品としては機器のUSB端子とケーブルの間につけるフィルタ的なものや、空きポートに挿すことでノイズを除去する回路が入っているようなものがありますが、OMNI USBは少し趣が異なります。

単純に機能として考えると、USBハブになります。普通に、パソコンに挿して使うものと同じで、PCのUSBポートに挿すと、使えるポートが増えます。

もちろん、オーディオ用なので、音質に寄与するいくつかの機能が搭載されていて、かなりユニークな製品になっています。

 

まず、光変換を通じたノイズ除去です。通常、USBは金属の導線であるため、電気的なノイズが乗ることは避けられません。それだけなら普通のインターコネクトケーブルも同じなのですが、USBの場合、PCに挿すという点がネックになります。PCはオーディオ製品でないため発生させるノイズが多く、必然的にノイズの影響が大きくなります。

OMNI USBは一度、信号を小さいOPT Linkという筐体で受けた後、光信号に変換して、本体に送るようになっています。光ケーブルは金属ではないため、ここで一旦PCからのノイズを完全に除去することが出来ます。

 

次に、外部クロックを利用することができます。(個人的にはここに一番惹かれました)本体に入力端子がついており、外部のマスタークロックから高精度なクロックを受けることが出来ます。導入前にSilent Powerのサポートに連絡して確認しましたが、外部クロックは、USB信号やSPDIF信号含む、OMNI USBのすべての動作の制御に使われるとのことでした。

 

さらに、ユニークなのがバッテリーの搭載です。USBは信号だけでなく電力も供給しています。その供給に、圧倒的にノイズの少ないバッテリーからの電気を利用することで電力に乗ったノイズも極小化することができます。

 

それ以外にも、アクティブノイズキャンセル機能がついているほか、DDCとして同軸や光端子からのデジタルアウトも利用することができます。

 

この辺りの機能については、OMNI USB本体のボタンと画面で設定を切り替えることができます。

 

機材について

前述の通り、動作としてはUSBハブになりますが、筐体が二つあり、接続がややこしいです。

まず、PCからUSB OPT Linkという小型の筐体に繋ぎます。USB OPT LinkはUSB Type-Cの入力が2つあり、一つはPCからの信号入力用。もう一つは電力供給用です。今まで、USB DACはType-Bの端子の入力が多かったので、Type-Cはちょっとレアかも知れません。

USB OPT Linkの中で電気信号が光信号に変換され、付属の光ケーブルを通ってOMNI USBへと送られます。

 

OMNI USBはほぼUSBハブなので、USBポートが前面に一つ、背面に6つ着いています。背面のうち、2つがオーディオ信号用のUSB Type-A、2つがオーディオ電力用Type-A、あとはオーディオ用Type-Cと普通のType-Cです。

電力専用のUSB端子というのは、Silent Powerというか、iFiが出している、GeminiというUSBケーブルの利用を想定しているからだと思います。(私もこれを愛用しています

Geminiは信号線・端子と電力線・端子が完全に分離した形状になっているため、信号用のUSB出力と、電源用のUSB出力を用意する必要があります。(iUSB Power、というほぼGeminiとの接続を前提として機材があります

OMNI USBにも信号用と電力用の端子が用意されているので、Geminiのような分離型のケーブル(他社からもいくつか出ています)を利用している場合にはぴったりでしょう。

また、背面にあるType-C端子から、USB OPT Linkの電力用ポートに挿すことが可能ですので、我が家はそれで運用しています。

 

これ以外に、DDCとして使うこともできるのですが、我が家では使っていないので省略します。

 

接続について

長くなりましたが我が家での接続環境です。感想は基本期には下記の環境ですが、サブとしてE5 studioからPS2000eやEdition9をつなぐこともあります。

 

PC

 ↓

Unibrain USB(A to C)

 ↓

USB OPT Link

 ↓

光ケーブル(付属品)

 ↓

OMNI USB  ← Cybershaftのマスタークロック

 ↓

Gemini

 ↓

Soulnote d-2 ← Cybershaftのマスタークロック

 ↓

Mjolnir audio Carbon CC

 ↓

STAX SR-X9000

 

最初のUSB OPT Linkへの接続ですが、今までType-Cのオーディオ用USBケーブルを使っていませんでした。付属品としてUSBケーブル(A to C)が同梱されているのですが、あまり良く無さそうだったので、併せてUnibrainというブランドのケーブルを購入しました。オーディオ用USBケーブルとしては、比較的高い評価を受けているものです。

 

マスタークロックについては、現在使っているMA2のシリーズは出力端子が2つあるため、そこからOMNI USBとd-2に入れています。

規格上、OMNI USBは75Ω、d-2は50Ωですが、MA2には、端子ごとに出力インピーダンスを切り替えるスイッチがあるため、本当に助かりました。

クロックからOMNI USBまでは、サイバーシャフトの純銀高品位BNCケーブルを繋いでいます。

 

音質とか

前述の通り、出てくる機材やケーブルが多いのですが、頑張って繋いで聞いてみましたが、効果は想像以上でした。

音が正確になった、という表現が一番近いと思います。音の波が正確に表現されるようになったためか、余計な付帯音が減り、背景のノイズ感が綺麗になくなりました。

一つ一つの音が綺麗になり、また音場の立体感、定位感を強く感じるようになりました。SR-X9000で聞いている場合、特にオーケストラなどで音の広がりがより感じられるうえに、各楽器の音も細かい表現まで感じられるようになります。また、ボーカルものでも、歌手の息づかいやちょっとした表現がリアルに突き抜けてきます。

 

また、ちょっと嬉しい変化だったのが、SR-X9000以外のヘッドフォン、PS2000eやEdition9などにも新たな魅力を発見することができました。今までは、それぞれに魅力はあるものの、X9000に比べるとやや雑というか粗い印象が先に立ってしまい、最近はあまり使っていませんでした。

ただ今回クロックやOMNI USBを入れることによって、そうした粗が軽減され、それぞれの特長、PS2000eなら音色の艶っぽさやノリの良さ、Edition9の絶妙なモニタ感や引き締まった低音の魅力などに集中することが出来、曲や気分によって使い分ける楽しみが膨らみました。

 

総評

OMNI USB はとても優秀なUSBコンディショナーだと思います。特にPCオーディオで上流側を整える術が限られている中、ここまで大きな効果が得られるのは貴重だと思います。

クロックも含め、今使っているシステムの魅力をさらに引き上げ、また各機種の良さを引き出してくれる得がたい機材だと思います。

 

 

 

 

10MHz マスタークロック MA2(UPOCXO-MA2-OP18)のレビュー(Cybershaft)

Cybershaftのマスタークロック MA2(UPOCXO-MA2-OP18)のレビューです。元々クロックが気になっていたのですが、ちょうど良い条件のものがオークションに出ていたので買ってしまいました。

割と半信半疑で繋いでみたのですが、想定以上の効果にびっくりしました。

 

マスタークロックについて

オーディオアクセサリーの中にマスタークロックというものがあります。(アクセサリーと言うには、筐体も価格も大きいものが多いですが)これは、オーディオ機器がデジタル信号を処理する際に基準となる時間を制御するものです。

音はご存じの通り空気の波ですが、アナログ段ではこの波が電気信号で表されます。たとえば、DACでデジタル信号からアナログ信号に変換する際、時間の制御が均一でないと、波に歪みが生じ音質に悪影響を与えることになります。この時間の揺らぎを最小限に抑えるために、高精度に時間を制御するのがクロックの役目です。

DACをはじめとしたオーディオ機器にはクロックが内蔵されていますが、コストの関係などであまり高精度のものが積まれていないことが多いです。また、電源を共有していることからノイズなどの影響も出てきます。そのため、ハイエンドの機器の中には、外部からクロックを入力するための端子がついているものがあります。マスタークロックは、こうした外部クロック端子がついたモデルに、高品質なクロックを投入するための機器です。

 

サイバーシャフト社のクロックについて

サイバーシャフト社はクロックを製造している、ほぼ専業のメーカーです。オーディオ用だけではなく産業用のクロックなども製造しているほか、クロックに関連したアクセサリーである、クロック用のケーブルや外部電源を製造しています。

オーディオ用クロック製品としては、まずモデルがいくつかありますが、今回導入したMA2はオーディオ用のハイエンドモデルになります。

また、同じモデルの中でも、クロックの制度によってOP●●といったグレードがあります。数字で表されますが、大きい方が精度が高いことを意味します。下は04くらいから、上は21までありますが、数字があがるにつれて、価格も跳ね上がっていきます。

 

機器の構成について

もともと私が持っていた機器の中では、DACのSoulnote d-2にクロック入力がありましたので、これにクロック(UPOCXO-MA2-OP18)を繋いでいます。クロック自体の電源はサイバーシャフトの専用電源ではなく、iFiあらためSilent PowerのiPower2(15V)で供給しています。また、クロックとd-2の間はサイバーシャフトのBNCセミリジットケーブル(50Ω)で繋いでいます。d-2は外部クロックを使うためのスイッチが背面にありますので、これをオンに切り替えます。

 

音質とか

クロックは安定するまで時間がかかるということなので、クロックの電源投入後、2時間くらい待ってから聞き始めました。(最終的に安定するまで2週間ほどかかるそうです)

環境としては

PC or iFi Zen stream

 ↓

Soulnote d-2  ← ここにクロック入力

 ↓

Mjolnir audio Carbon CC

 ↓

STAX SR-X9000

となります。

 

一聴して、音が変わったことが判ります。全体的なバランスや帯域の傾向は変わりませんが、音が丁寧になったような、とでも言うのでしょうか。正確に音を奏でているような印象になります。

何というか、余計なものが剥がれたような印象で、音量を上げても不快な煩さを感じることがなくなります。静かな場面ではとことん静かになったような、とにかく音を汚す何かが浄化されたような感じがします。

元々使っていたDACやアンプ、ヘッドフォンのポテンシャルをさらに引き出しているような印象です。

 

総評

外部クロック入力は、かなり効果があると認識しました。オーディオ機器が本領を発揮しているように感じます。特に、歪みを感じにくくなり、いかにもハイエンドの音、に近づいた気がします。

クロック入力がある機器にしか使えませんし、クロック自体も高価なものですので、どうしても後回しにされがちだとは思いますが、一考する価値はあると思います。

正直、ここまで効果が大きいと思っていなかったため、良い意味で期待を裏切られました。現状ではDACにしか入力していませんが、もっと上流や他の機器にも使うことを健闘したくなるほどの衝撃でした。

YAMAHAのスピーカー組立イベントに参加してきました

YAMAHAが企画した、スピーカーの組立イベントに参加してきました。

 

YAMAHAと言えばピアノをはじめとした楽器がすぐに頭に浮かびますが、スピーカーやヘッドフォン、アンプなどのオーディオ機器にも力を入れています。以前記事にしたとおり、私もNS-1 Classicsという古いスピーカーを使っています。

 

今回、YAMAHAが新しく自社で開発したスピーカーユニットを使ったイベントを開催するというので行ってみました。

www.yamaha.com

 

イベントの概要

今回はYAMAHA単独のイベントではなく、「MJ 無線と実験」というオーディオ雑誌主催イベントの一ブースとしての出展でした。ブース内では時間帯によって、試聴の時間やワークショップの時間が取られているようでした。

 

ワークショップの種類

今回、3種類のワークショップが用意されていました。スピーカーユニットはどれも共通とのことですが、エンクロージャーが異なります。一つ目は、おうちスピーカーという、アクリル製のドールハウスのようなバスレフスピーカー。二つ目はレゴのようなブロックを組み合わせて作る密閉型スピーカー。三つ目は、廃材を利用して作る木製のバスレフスピーカーです。

その中で、私はおうちスピーカーに参加してきました。見た目が可愛く、家族と遊べそうだったからです。

 

ワークショップの流れ

ワークショップでは、最初にYAMAHAの方から、技術的な解説がありました。「音とは何か」から始まり、スピーカーユニットの仕組みや、スピーカーになぜエンクロージャーが必要なのか、など。基礎的な内容でしたが説明が解りやすく、とても勉強になりました。

その後、キットをもとに組立を行いました。おうちスピーカーはアクリル製の箱がすでに出来ているので、そこにスピーカーユニットやターミナルを配線して繋ぎ、吸音材を中に入れ煙突(バスレフポートになっています)をつけるだけです。ほとんど困ることなくさくっと出来てしまいました。以前つくったFostexのかんすぴよりかんたんでした。

 

出来上がりはこんな感じです。

 

 

その後、他の方たちと試聴して音を確かめて終了です。

試聴ではほかの2種類のスピーカーとの比較をすることもできました。ユニットが同じでも、エンクロージャーによって音がかなり変わるのが面白かったです。

ブロック形の密閉型は、やはりバスレフでない分、低音が控えめでした。また、ブロックの間に隙間がかなりあるため遮音性がそこまでよくないようで、見た目は可愛いのですが、スピーカーとしてはユニットの性能がそこまで引き出せていないかもしれません。

廃材の方は木製のバスレフなので、割と教科書通りというか、良い感じの音が出ていました。興味深かったのは、廃材なので、材料によって木が異なっていて、それが音質に違いを出していました。一般的に、スピーカーには硬くて重い木が好まれていると思いますが、桐などの柔らかい木を使った方が柔らかな心地よい音色になっていたりして、色んな発見がありました。

 

スピーカーユニットについて

組立てながらYAMAHAの方から色々お話を聞かせていただきましたが、今までYAMAHAとして、スピーカーユニットとして販売したことはなかったそうです。今回もまだ製品化決定、とまではなっておらず、こうしたワークショップなどを通して市場の反応を見ているようでした。

ユニットとしては、フルレンジ型。ユニットは径9cmのコーン型になります。見た目は特に目新しいものではありません。

スピーカーユニットの特性グラフを提供いただいたのですが、ユニット単体だと110Hzあたりから12kHzあたりまでフラットに音が出ているように見えます。上下の減衰もそこまで大きいものではなく、適切なボックスに入れれば低音はもう少し低いところまでちゃんと出そうです。9cmというサイズを考えると、相当頑張っているように思います。

 

音質について

まだエージングも出来ていない中ではありますが、家で鳴らしてみます。

サイズと見た目からは想像出来ないほど、良い音がします。特に、9cmというサイズが良いのか、中音域の鮮やかさは特筆ものです。低音もバスレフポートのおかげか、結構量がでますが、やはりユニット径がそこまで大きくないので、本当に低い音までは中々出ていないように感じます。高音の伸びはそれなりでしょうか。バランス的にはゆるやかなかまぼこ形な感じがするので、ウーハーやツイータを追加すると面白いかも知れません。

家に帰って元々使っていたNS-1 Classicsと比較すると、かなり元気な鳴り方をしているような感じがします。クラシックよりは歌ものとかロックとかの方が向いていると思います。

 

中に入れるものについて

前述の通り、おうちスピーカーはドールハウスのような形状をしています。YAMAHAのサイトの制作例を見ると解りますが、中に色々なものを入れることができます。

正直、このスピーカーはデフォルトのままだと内部の吸音材が少ないため、やや濁った感じの音が出ている気がします。家の中にものを詰めることで音を乱反射させ定常波を抑制することで音が良くなるのではないか、とYAMAHAの人と話していました。

 

ということで、家にあったこどものおもちゃなどを詰めてみました。

 

 

見た目のセンスはともかく、なんとなく音がスッキリした感じがします。

 

総評

今回、イベントに参加してとても楽しませていただきました。昨年、FOSTEXのヘッドフォン組立イベントに参加したときも思ったのですが、やはりメーカーの方とお話ししながら組立をするのはとても楽しいです。

また、ユニット自体も大きさの割にとても良い物で、音にも満足しています。まだ商品化するかどうかは決まっていないようですが、ぜひ頑張って頂きたいものです。

 

 

 

Hiby Digital M300のレビュー(Hiby Music)

Hiby DigitalのDAP、M300のレビューです。

 

先日の記事の通り、DenonPerl Proを購入しましたので、接続用に購入しました。今まで利用してたHiBy R6ProALはサイズが大きいうえに、KSE1500のアンプをくっつけてあるので、せっかくワイヤレスイヤホンで気軽に使えるメリットが生かせないと感じたためです。

 

Hiby digital M300の特長とFiio JM21との比較

M300はAndroidベースのDAPです。価格帯的には入門機で、サイズが小さいため取り回しが便利です。Hibyはじめ、他のメーカーでもこれより小さいサイズのものもありはするのですが、独自OSになってしまい、Storeアプリが使えないものが多いです。そのため、単にストレージの音楽を再生するだけではなく、Amazon musicなどのストリーミングアプリもインストールしたいがなるべく小さくしたい、となると、選択肢はM300かFiioのJM21の一騎打ちと思われます。

 

 

もちろん物理的なサイズなどは多少は違いますが、オーディオ的な観点での差は端子とBluetooth Codecになると思います。

M300は接続端子が3.5mmだけで、4.4mmがありません。JM21は4.4mmがあるので、バランス接続の有線イヤホンを繋げられることが強みです。

一方、Bluetooth Codecに目を向けると、M300はaptX Adaptiveに対応していますが、JM21は対応していません。イヤホン側がaptX adaptiveに対応している場合には、M300の方が有利だと思われます。aptX Adaptiveに対応しているDAPはまだまだ少ない中で、この価格帯で実現出来ているのは貴重なことです。

そのため、DAPの入門機ということは前提で、有線バランス接続のイヤホンも試してみたい場合にはJM21、接続するのがワイヤレスイヤホンかUSB接続の外部DACやアンプのみ、という場合にはM300を選ぶのが良いのではないでしょうか。

 

私の場合、基本的にPerl Proと使うことを前提にしているので、M300を選びました。特に、Perl proはLDACに対応していないため、aptX Adaptiveに対応しているかどうかは優先度が高いところでした。それに、4.4mm使いたいときはHiBy R6ProALも持っていますからね。

Fiio JM21

M300の操作感

Android OSなので操作するのにはまったく困りません。普通にスマホと同じ感覚で利用できます。SoCなどもそれなりのものを積んでいるので、動作がもっさりすることもそんなにはありません。もちろんハイエンドのスマホのようなスペックではないのでゲームとかをするのは難しいですが、ストレージに入っている音楽を聴くことや、ストリーミングアプリでの再生、YouTubeの再生くらいならストレスを感じることはありません。

デフォルトの音楽再生アプリは Hiby Music。専用アプリですが、かなり直観的に使いやすく、機能的にも十分です。また、不満な場合でも、ストアアプリが利用できるので、お気に入りのアプリをインストールすることも可能で、困ることはまずないでしょう。

ストレージも、2TBまでのmicroSDを入れられるので、まったく問題なし。Bluetoothも5.0で満員電車の中でも途切れるようなことはありません。

 

M300の音質

前提としてですが、基本的にM300ではワイヤレスイヤホンを使っているため、正直プレイヤーの音質への影響があまり感じられません。一応、M300だとCodecがaptX Adaptiveで、 R6ProALだとaptX HDなのでM300の方が有利なはずですが、かなり軽微な差であるように感じます。多少、音の分離が良いような感じはしますが、基本的な音の傾向は同じです。

 

さすがにレビューとして内容がないので、AKGのK3003を繋いでみました。入門機の割に、結構良い音がします。

帯域的にはややロー上がり。K3003はそれほど低音が出る機種ではないですが、量感をもって聞こえて来ます。一方で、K3003の特長である高音が煌びやかに伸びる感じはあまり出ていません。R6ProALもロー上がりなので、メーカーとしての特長かもしれません。ただ、R6ProALほど極端ではありません。

音の分離や細やかさはそれなりというところ。価格を考えると、十分に検討しているとは思いますが、やや固まって音が出ているような感じがします。

音場はやや狭めであまり明確ではありません。

有線接続の場合、全体としてややロー上がりなくらいで、あまり過度な特長があるわけではなく、オールマイティに使える機種だと思います。

 

総評

使い処がはっきりしている機種だと思います。サイズが小さくaptX Adaptiveに対応していてAndorid OS、という、必要なところに絞って抑えていて、ターゲットは明確です。。

前述の通り、ワイヤレスイヤホンもしくはBluetoothやUSB経由でDAC/アンプに接続すること前提で、取り回しがいいDAPを探しているのであれば、間違いなくこれが最適解になると思います。

 

Hiby digital M300

 

 

 

 

 

 

 

Perl Proのレビュー(Denon)

Denonのワイヤレスイヤホン(TWS)、Perl Proのレビューです。

 

以前より、音質にかけては有線の方が圧倒的に有利だと感じておりました。もちろん、ワイヤレスの取り回しの良さやノイズキャンセリングといった利便性については認識していたのですが、音質があまりに違いすぎるため二の足を踏んでいました。

 

今回、Perl Proを聴いて、ようやく十分に満足できる音質のワイヤレスイヤホンが出たと感じたので購入しました。(だいぶ安くなってきましたし)その中で、今までの自分のオーディオ感を覆されるような転換があったと思います。

それなりの値段がする機種ですが、それだけの価値があると思います。

Perl Proについて

日本におけるオーディオの老舗、Denonが出したワイヤレスイヤホンです。完全に左右が分離しているTrue wireless(TWS)のタイプになります。本体の他にケースがついてきて充電などに使用します。

このシリーズははPerl ProとPerlの2種類が出ていますが、名前を見れば判るとおり、Proの方がフラグシップという扱いです。今回、Proの方を購入しました。

接続はもちろんBluetooth。リスニング用フラグシップの割にCodecはやや特殊で、aptX Adaptiveに対応している一方で、LDACには対応していません。高価格だけあって、ノイズキャンセリングや外音取り込み、マルチポイント接続などの機能は一通り揃っています。アプリ上でイコライザもかなり細かく設定できます。

 

Perl Proの特長

最大の特長として、聴力を測定し個人にパーソナライズ(最適化)するよう音質を調整できる機能を有しています。他にもいくつか似たような機能を持っている機種はありますが、Perl Proの良いところは、それを自動でやってくれるところです。音を流すと同時に耳の中をモニタリングしており、今出している検査用の音にどのくらい反応しているのか計測できるそうです。

(他の機種は、聴力検査よろしく音が聞こえたらボタンを押すものが多いです)

音質については後で述べますが、このパーソナライズ機能の高価はすさまじいものがあります。アプリ上で機能をオン/オフできますが、切り替えてみると明らかに音が違います。オンにすると、音の明瞭さやバランス、音場までレベルが3つくらいは上がるように感じます。

 

パーソナライズの結果はアプリ上に表示されますが、正直見てもあまり意味が判るものではありません。。。

 

また、空間オーディオ機能を備えているところも比較的レアなところです。音場間がより包み込まれるように変化するもので、音源にもよりますが、比較的違和感なく補正してくれます。イヤホンの脳内定位が苦手な人にはかなり良さそうです。

 

Perl Proの音質

以下のレビューは基本的にパーソナライズ機能を有効にした状態でのものです。

全体的に音の像がくっきりと聞こえ、分離がはっきりしている傾向にあります。音が太く感じられ、ヘッドフォンで言うとGradoのようなイメージです。

帯域バランスはデフォルトだとかなりのロー上がりです。中音域は比較的良く聞こえます。高音域は、帯域としての伸びは悪くないと思いますが音量としては少し控えめ。とにかく低音が強いので、私はアプリ上で低音を控えめになるように調整しています。

音場はデフォルトだと明確ですがやや狭め。空間オーディオ機能を有効にすると、ゆったりと広がるように変化します。音の一つ一つを分析的に聴くなら無しの方が良いと思いますが、音楽全体をゆったりと楽しむなら有効にするほうが心地良いと思います。

出てくる音がくっきりとしていて割と元気が良いので、ポップスなどの歌ものにはかなり向いていると思います。逆に、かなり主役が目立つ機種なので、フルオーケストラの楽曲などではあまり魅力を感じませんでした。

 

全体として考えると、今までに聴いたワイヤレスイヤホンのなかで最高級のものです。他にも5万円以上のワイヤレスイヤホンを(発売される度に)いくつも試聴してきましたが、ここまでのものはなかったと思います。(Perl Proの発売から時間が経ったこともあって、同レベルのものも出てきたとは思います)

とは言え、さすがに最高級の有線イヤホンをちゃんとしたDACやアンプと繋いだときと音質を比べると分が悪いです。ただ、ワイヤレスならではの取り回しの良さや、外出時にノイズキャンセリングや外音取り込みを使えることを考えると、こちらを選ぶ選択は十分に有り得ると思います。また、同価格帯の有線イヤホンとなら、ほとんどの機種を上回れるように思います。

 

ピュアオーディオに対する意識の転換

少しPerl Proそのものの話題から外れるのですが、この機種は「良い音とは何か」ということを問いかけるきっかけになると感じました。

今まで、オーディオにおける良い音、とはソースに記録された音を極力劣化させずに耳まで届けること、と認識されてきたように思いますし、私もなんとなくそう感じていました。良い音のため、極力音に影響を与えないよう、接点を減らしたりケーブルの抵抗を減らしたり、ノイズを除去したりしてきたわけです。そこに、音の信号に対して積極的に変化を加えるというアプローチは一般的でなかった。元の、生の音楽に一番近づけようとするとそう考えるのは自然なことです。

今回、Perl Proが行ったのはその真逆で、測定された結果から計算し、最適な変化を音の信号に与える、という積極的なアプローチです。一見、音に変化を与えることで元の音楽から離れていってしまうようにも感じます。

しかし深く考えてみると、耳という受信機に個人差がある以上、イヤホンから元に近い音が出ていたとしても、それが人に認識される際には耳の個人差が影響することを避けることは出来ません。ならば、その個人差をソフトウェア的に補正することで、最終的に人が聴く音楽を元の音に近づける、ということをしていると捕らえれば、Perl Proのパーソナライズ機能は真の意味でのピュアオーディオなのかもしれない、と感じました。

 

総評

Perl Proはワイヤレスイヤホンの中で、最高級の音質を持つ機種だと思います。まだ最高級の有線イヤホンの音質には達していませんが、同価格帯のものとなら十分以上に勝負になります。

また、フルワイヤレスだからこその機能も豊富で、外出時に使用するならとても良い選択肢になると思います。

 

 

 

 

Carbon CCのレビュー(Mjölnir-Audio)

Mjolnir Audioの静電型ヘッドフォン用アンプ、Carbon CCのレビューです。

 

静電型ヘッドフォンアンプとMjolnir Audioについて

ヘッドフォンのユニットにはいくつか種類がありますが、そのうちの一つが静電型(コンデンサー型)と呼ばれるものです。一番よく使われているダイナミック型に比べると、振動膜を薄く出来るというメリットがあり、音質的にはとても有利とされています。一方で、仕組み上高い電圧を常にかけている必要があり、専用のアンプ(ドライバ)が必要になります。

静電型ヘッドフォンで世界的に最も有名なのが、日本のSTAXです。私は長年STAXのヘッドフォンを愛用しており、現状の愛器はフラグシップのSR-X9000です。STAXはヘッドフォンとドライバを両方出していて、通常ですとそれを組み合わせて使うことになります。

 

しかし、ガレージメーカーの中には、STAXヘッドフォンに対応する静電型アンプを販売しているところがあります。昔から、STAXはヘッドフォンに対してアンプがやや弱いとされていて、それを独自に補ってきたわけです。日本でもいくつかのメーカーが販売しています。

そうしたサードパーティ製のアンプの中で最も有名なのは、Head ampのBlue Hawaiiでしょう。真空管のアンプで素晴らしい音がします。日本でも代理店がついていて、購入することができます。私も何度か試聴したことが、個人的にあまり球の音が好きでは無く、二の足を踏んでいました。

そのBlue Hawaiiを設計したのが、Kevin Glimoreという方です。このGilmore氏が設計したアンプにKGSSHV と呼ばれるシリーズがあり、設計が公開されています。そして、彼からライセンスを受けてKGSSHVの基にしたシリーズを販売しているのが、アイスランドのMjolnir Audioというガレージメーカーです。

Mjolnir Audioのアンプについては、以前展示会で参考出展として出ているものを聴いたことがあるのですが、大変素晴らしい音でした。今回、清水の舞台から飛び降りる覚悟で、Mjolnir AudioからCarbon CCを購入したのでレビューいたします。

 

Mjolnir audioの静電型ヘッドフォンラインと電圧

webページを見ると、Mjolnir Audioの製品ラインが載っています。(すべて英語ですが)

Amplifiers for electrostatic headphones – Mjölnir-Audio

これを書いている時点では、フラグシップがCarbon CCというものになり、他にCarbonや、KGSTなど、幾つかの製品があります。

Mjolnir Audioはアイスランドにあるので、電圧が基本的には230V/117Vですが、注文する際に、日本に住んでいるので100Vに出来ないか、と相談したところ、快く100Vにしてくれました。(追加の部品代が200ドルくらいかかりました)

Carbon CCを注文してPaypalで支払いをし、1週間ほどで自宅まで届きました。国際便と言うことでちょっと心配していましたが、厳重に梱包されており、何も問題ありませんでした。

Carbon CC

Carbon CCの仕様

静電型ヘッドフォンのアナログアンプであり、機能としては最低限です。

入力端子はXLRのバランス入力1系統のみ。

出力は580VのSTAX互換ヘッドフォン出力が2つで、静電型ヘッドフォンしか駆動できません。

ダイナミック型と併用することを考えてだと思いますが、XLRのパススルー出力がついているのがありがたいです。私の場合、DACからバランスでCarbon CCに入れて、パススルーから普通のヘッドフォンアンプ(Re・leaf E5 studio)に繋いでおり、使いたいヘッドフォンによって、電源を入れるアンプを変えています。

入出力の端子以外は電源ボタンとボリュームがあるだけで、機能としてはシンプル極まりないものになります。

ちなみにこのアンプ、写真だけだと解りにくいですが、左右の両端がヒートシンクのようになっています。なぜこんな形なのかと思っていましたが、使うと理由はすぐわかります。かなり発熱し、天板に触っていられないくらいです。設置場所には注意が必要で、重ね置きなどはもってのほかでしょう。

付属品は何もついてこないので、電源コードやXLRケーブルは別途用意する必要がありますが、これを買うような人には問題ないでしょう。

 

レビュー環境

前置きが長くなりましたが、レビューに入りたいと思います。

環境は

自作PC/iFi Zen Stream → Soulnote D-2 → Carbon CC → Stax SR-X9000となります。

 

音質レビュー

当然ですが、もの凄く素晴らしい音です。(ヘッドフォンがSR-X9000なので当たり前と言えば当たり前ですが……)特に、音の細やかさ、音場の明確さ、上下のレンジの広さは他の追随を許しません。基礎性能がもの凄く高く、とても丁寧に作られたものだということが判ります。

 

今までのiFi iESLやSTAX純正のアンプと比べると、おおよそ以下のような特長があると思います。

まず、帯域バランスがやや低音上がりになります。もともと、STAXのヘッドフォンはダイナミック型の高級機と比べ、低音が薄いと言われることが多いです。しかし、Carbon CCを通すと低音がほどよく強化され、良く制動された低域が音楽全体を下支えしてくれるようになります。強化されるといってもブーミーな感じではなく、SR-X9000が元々持っている、深く沈み込む丁寧な低音はそのままに、少しバランスを整えてくれた感じになります。

また、音場や音の細やかさ、正確性についても強化されたように思います。特に、STAX純正機と比べると、見通しがよくなりくっきりした感じになるように思います。球を使っていないからか、より冷静な鳴らし方になるように感じます。(もしかしたら、球の音が好きな人からすると、やや温かみが失われると思うかも知れません)

 

総じて、音質としては、一皮剥けたどころか二皮くらい剥けたようなイメージです。

ただ、音質として全体的に向上したのが感じられる一方で、鳴らし方としてはややダイナミック型に近づきます。帯域バランスや帯域の広さ、音の滑らかさなど、単体では理想的な音に近づきますが、STAX特有の何か、というものはやや薄れるかもしれません。

 

まとめ

総じて、素晴らしい製品だと思います。STAXのヘッドフォンが本来持っている実力をいかんなく発揮させてくれます。ただ、あまりに完璧に近づきすぎるが故に、ダイナミック型ヘッドフォンとの使い分け、みたいなことを考えると尖っている部分はやや丸くなる、という捉え方もできるかと思います。

円安もあり、かなり高価な製品になってしまいましたが、それだけの価値があるアンプだと思います。

 

 

 

 

FOSTEXのクラウドファンディングに参加してきました(RPKIT50)

FOSTEXが実施していたクラウドファンディングを応募購入し、イベントに参加してきました。

 

Fostexといえば、スピーカーやヘッドフォンで大変有名なブランドですが、フォスター電機という会社のブランドです。フォスター電機は元々、自社ブランドというよりは、ODMや部品メーカーの方を中心事業としており、有名なオーディオブランドでも中身はすべてフォスター電機が作っていたりします。また、車や家電などに使われているスピーカー部品に関しても大きなシェアを持っている会社です。

 

そのフォスター電機が、クラウドファンディングを行い、ヘッドフォンの自作改造を行えるとのことで参加してきました。和やかな雰囲気で行われたイベントで、とても楽しかったです。

もちろん、ちゃんとヘッドフォンを作れたというのもあるのですが、それ以上に社員の方々に色々質問したり制作のこぼれ話を聴けたりと、貴重な体験をさせていただきました。本当に素晴らしいイベントだったと思います。

 

RPKIT50とクラウドファンディング

以前より、FOSTEXブランドの製品として、RPKIT50というものがありました。これは、T50RPというヘッドフォンを基にした、ヘッドフォンを組み立てるためのキットです。T50RPが、海外などでよく改造されているのを見て、会社としてキットとして販売したとのことでした。FOSTEXは自作スピーカーでも有名で、スピーカーユニットやボックスを販売しています。なのでユーザー自作キットというものに対して割と積極的だったのでしょう。

私も以前、「かんすぴ」というスピーカー組立キットのボックスを使って組み立てたことがあります。今でもリビングで音を鳴らしてくれていますが、作業も簡単で良い音が出る物です。

 

今回、クラウドファンディングで購入すると、フォスター電機本社で社員の方々と組立ができるというものがあり、参加してきました。もともと、RPKIT50に挑戦してみようと思っていたので良い機会でした。

 

 

当日の流れ

本社に行くと社員の方が出迎えてくれました。まずは玄関のところで今後発売予定だという新しいシステムを体験させていただきました。

これは、中々エポックメイキングな代物で、ちょっと他では見たことがないものでした。ヘッドフォンリスニングにちょっとした革命を起こすかも知れません。

 

その後、ショールームを見学させていただき、貴重な品を見せていただきました。それから、会議室に入ってプレジテント以下、社員の皆様からご説明をいただき、組立開始です。

 

構成の決定

RPKIT50では4つのパーツについて、カスタマイズすることができます。それぞれ、音のバランスに影響を与えるため、自分好みに設計できるということですね。製品版のキットでは全部で、3×2×2×2=24通りのパターンを作ることができます。もちろん、自分でパーツを作ることから始めれば、無限に増やすことができますが、24通りでもかなりのものです。まず、その選択に頭を悩ませることになります。

普通にキットを買うと、「低域を増強させる」みたいな書き方をしてあるので、それを基に選ぶことになると思います。が、今回のイベントでは24通りすべての周波数特性のグラフを提供してくれました。しかも、その中から代表的な3パターン(標準仕様・中域特化・低域特化)を試聴用に用意してくれていて、どんなヘッドフォンにしたいかの参考にさせてくれました。本当に至れり尽くせりです。

 

さて、私はどうしたかというと、試聴機の「中域特化」から、ハウジングだけを変更したものにしました。

狙いとしては、ボーカル特化にしたいと考えていました。実は、試聴機を聴いた限りでは、標準仕様が一番バランス良く感じました。(まあ、プロが音作りをしているので当たり前なのですが………)が、今の私のヘッドフォン環境を考えると、バランス良く聴きたいならSR-X9000があるし、ノリ良く聴きたいならPS2000eがあります。なので使い分けを考えて、ボーカルに没頭したいときに使えるヘッドフォンを、と思いました。

周波数的には「中域特化」が近いと思ったのですが、ハウジングだけは半解放型に変えました。これは、試聴機通りだと面白くなかったのと、今までの経験から密閉型だと高音の伸びが良くないイメージがあり、できれば解放型で作りたいというのがありました。周波数特性的には、中域特化と標準仕様の間くらいのイメージになります。T50RPに比べるとやや低音が抑えられハイ上がりになるはずです。

何はともあれ、この構成で作業開始です。

 

組立作業

作り方を社員の方が説明してくれるので、その通りに作っていきます。時間と会場の都合でしょう、一部の作業は社員の方でやってくれていたので、サクサク組み上がります。一番時間がかかったのは、ハウジングとバッフルに吸音材を貼り付けていく作業でした。とにかく数が多いのでなかなか大変でした。その後は自分で決めた構成どおりにパーツをくみ上げて完成です。

 

組立開始時はこんな感じでした。

 

 

組立作業中に、参加者から素材などに音質への影響について質問が出たりしましたが、社員の方が丁寧に答えてくれて、大変勉強になりました。私からの質問にも快く答えてくれました。

 

組立作業中です。



 

 

完成したら音が出ることをチェックして終了です。まあ、当たり前に音が出るのですが、やはり自分で組み立てるとちょっと格別ですね。

 

私はスタンダードプランだったので、組み立てて完成したらイベントは終了です。プロフェッショナルプランの方はその後に座談会などがあったそうです。

 

出来上がったヘッドフォンについて

なかなか良いヘッドフォンが出来上がりました。家に帰ってからメインのシステムに繋いで聴いていますが、概ね想定通りの音づくりになっているかと思います。全体的にバランスが良いなかでボーカルがよく聞こえますし、低音も控えめではありますがあからさまに少ないというほどではありません。

 

また、音質には影響しませんが、クラファン限定特典として、スライダーがゴールドになっています。

 

また、今後ですがRPKIT50にはケーブルが2本付属していて、3.5mmのアンバランスと2.5mmのバランスです。ただ、私は家で使うことを想定していて、アンプは4pinのXLRなので、どうにもうまくいきません。なので、ケーブルを切断してコネクタを付け替える予定です。

その事について、社員の方に中の芯線について質問しましたが、嫌な顔一つせずに親身に相談に乗ってくれました。ケーブル切断というやや不穏なことを相談するのでちょっと緊張していたのですが、いかにも技術者といったリアクションで、ちょっと安心しました。

 

感想

最初にも書きましたが、本当に楽しいイベントでした。組立はとてもスムーズに進みましたし、出来上がりもこちらが思った通りになりました。限られた時間の中で完成させられるように、社員の方々が入念にシミュレーションを行い準備していただいていたおかげだと思います。

また、組立以外でも設計のこぼれ話など大変興味深い話を聞くことができて、それが楽しかったです。

ぜひ今後もこのようなイベントを企画していただけると嬉しいです。