Blooming Wooing Audio

オーディオや音楽についてのblogです。手持ち機器のレビューやイベント参加感想など。

ヘッドフォン祭2018春に行ってきました!

半年ぶりのお祭り、ヘッドフォン祭2018春に行ってきました。開場は相変わらず中野サンプラザ

数年前に比べて、人が減ったような気がします。ブースを見て回るのには都合が良いのですが、ちょっと先行きが心配な気がします。

今回は物販で何も購入せず。なんとか散財スパイラルから踏みとどまっています。

では、恒例の視聴レビュー。今回は、大手というかヘッドフォン界の老舗が次々フラグシップを発表し、実り多い視聴体験でした。フラグシップを中心に、印象の大きかった製品をご紹介します。

 

 

Sennheiser HD820

Sennheiserの新フラグシップHD820です。モデルナンバから、HD800/800Sの後継機という位置かと思ったら、密閉型とのこと。

 

Sernnheiserのフラグシップなので、当然基礎能力としては最高クラスの一品です。解像度、音の滑らかさ、バランス、それに装着感。すべてが高いレベルでまとまっていて、文句のつけようがありません。特に、音場については、密閉型とは思えないほどの広大さです。

ただ、HD800と比べると毛色の違う音の造りです。HD800はどちらかというと、モニタライクな音色でしたが、HD820はもっと叙情的というか、艶っぽい音の鳴り方をします。

夏頃発売で、30万円前後になるのではないかとのこと。うーん、どうでしょう。HD800が10万ちょっとで買える現状で、3倍の額となるとやや厳しいかもしれません。UtopiaやSR-009あたりとの勝負になるかと思いますが、そこまでの優位性は感じられません。オーディオテクニカやPioneer、Ultrasone等も含め、全体的にインフレが進んでますが、ユーザからの指示は得られるでしょうか。

 

AKG N5005

AKGの新フラグシップイヤホン、N5005です。フラグシップの更新はK3003以来ですね。リケーブル対応、Bluetooth対応と時代に合わせてきました。イヤーピースも含め、豊富な付属品がついてきているのも売りの一つでしょうか。

 

K3003がお気に入りなこともあって、もの凄く期待して聞きました。基礎性能はやはりかなり高いです。ハイブリッドらしい魅力的な音色ですし、バランスや音場も良好です。

ただ、K3003と聞き比べると、かなり厳しい印象です。N5005の方がややかまぼこバランスで、高低ともにレンジが狭く感じられます。(イヤーピースの違いもあるかもしれません)ボーカルを重視した音作りに感じますが、総合的にはやや劣る印象でした。

ブースの人に、K3003はリケーブルやBluetoothに対応しないのか聞いてみましたが、多分無いだろうとのこと。個人的には期待しているのですが………。

 

STAX SR-009S

STAXの新フラグシップ SR-009Sです。こちらはもちろん、SR-009からの更新となります。009ユーザとして、もちろん試聴してきました。

SR-009からの更新ですので、もちろん性能は世界最高峰。コンデンサらしい音がします。音色は最高に美しく、音場は明確で不自然さを感じさせず、帯域バランス、レンジの広さ、どれをとっても一級品です。

ただ、正直言って、マイナーチェンジ感は否めません。ほぼ同じ音がすると思います。一点だけ、違いを感じたのは、009Sの方が、ややスッキリした音になりました。少しモニタライクになったと思います。この辺りは好みとして出てくるかも知れません。

ただ、わざわざSR-009から買い替えるかというと………。T8000を買う方が優先順位としては高いです。

 

Mr. Speakers  VOCE

魅力的なヘッドフォンを出し続けている、Mr.Speakersの新モデルです。たぶん、ガレージメーカなのでしょうか。全然知名度はなく、量販店ではまず売っていませんが、とても良い製品を作っているメーカです。

さて、今回はコンデンサ型の新作です。たしか、前回は試作機が出ていたかと思いましたが、昨日発売したとのこと。

 

大変素晴らしい音がします。コンデンサ型らしい、緻密な音がします。基礎性能はSR-009と同等レベル。価格も結構なものですが、それに見合う性能があると思います。

音色としては009ほどはモニタ寄りではなく、少し艶っぽい感じがします。SR-009Sとは逆方向の進化ですね。ボーカルものなんかを聞くときには、こちらの方が良いと思います。

一つ難点があるのは、ドライバの問題。STAXのドライバと互換性があるとのことですが……。試聴ブースで使っていたBlue Hawaiiも代理店が取り扱うとのことですが、VOCEとBlue hawaiiだと、100万円コースですね……。

ところで、コンデンサ型のドライバって、どうして真空管ばかりなのでしょう?

 

 

他に、FitEar 224DTWやShure KSE1200など、いくつか目玉出品も有り、大変実りの多いイベントでした。半年後が今から楽しみです。