ヘッドフォン祭2017秋に行ってきました!
毎回恒例、ヘッドフォン祭りに行ってきました。会場は変わらず中野サンプラザ。アクセスの悪さも毎度恒例です。
今回はきっちり財布の紐を締めたままで帰ってきました.正直、PS2000e balancedが残っていたのでとても迷ったのですが、なんとか我慢しました。
さて、恒例の視聴レビューです。
Audio Technica ATH-ADX5000
オーテクの新リファレンスモデル。開放型です。基本は標準プラグですが、オプションで4pin XLRも同時発売とのこと。
バランスはややかまぼこ形。低音は非常に洗練された締まった音で、とても上質です。高音は伸びきらないイメージですが、必要十分の量が出ています。
音場は立体的で、奥行きが感じられます。それでも、音域バランスのおかげでモニタライクな感じはせずに、魅力的に展開します。
音色的にはHD800に近い感じ。かなり源音に忠実だと思われます。
基礎レベル的にはかなり高いレベルにあります。同時に過度にモニタよりにならず、楽しく音楽が聴けるタイプの機種です。特にポップスなど、ボーカルものにははかなり向いていると思います。
お値段は25万ほどらしいですが、それだけの実力はあると思います。
Ultrasone Edition15
Editionシリーズの新作です。Edition8みたいな見た目ですが、今回は開放型。
正直、ちょっとびっくりしました。Editionシリーズらしからぬ音がします。
今までの印象からすると、Editionシリーズは分解能はじめ、基礎性能は他に追随を許さないほど高い一方で、過度にモニタライクというか、リスニングというものに対してあまり重きを置いていない印象がありました。
でも、今回のEdition15は楽しくリスニング出来る音作りな気がします。基礎性能がとても高いのはもちろんなのですが、バランスはややかまぼこ形。音場はUltrasoneらしい、縦への奥行きが感じられる機種です。
お値段はそれなりにしますが、これも魅力に溢れた機種だと思います。
FitEar Air2
FitEarのカスタム・ハイブリッドモデルの第2弾。
とても魅力的な音がします。とにかく、音色が綺麗でイヤフォンとは思えません。バランスも気になる部分がなく、上から下までフラットに出て、良く調整されている感じがします。
今まで聞いたイヤフォンの中でも最高峰に位置する機種です。K3003からの乗り換えを検討できる、数少ないイヤフォンでしょう。
価格もカスタムの割にはそこまで高くなく、恐らく、ベストバイの機種だと思います。
Mr Speakers Ether ES
静電型の試作機を聞いてみました。ドライバはBlue Hawaii。
静電型らしい、非常に細やかな音がします。バランスはほぼフラット。音場は特筆するほどのものはありませんが、基礎性能としては十分なもの。
全体的に見て、SR-009に比肩しうる機種だと思います。一方、ドライバを開発する気が無いそうです。STAXのドライバなら動くそうですが……。
Nmode X-HA3
Nmodeのバランス対応ヘッドフォンアンプ。X-HA1の後継機とのこと。音色的にはほぼ踏襲。
機能としては4pinのXLRが追加されました。バランス接続は4pinXLRに収束しそうな感じがします………。
価格は10万円ほどとのこと。少し割高な印象になりましたが、それでもしっかりとしたフラットな音を出してくれる機種だと思います。
さて、全体的にヘッドフォン業界のトレンドが、オーディオの原点に立ち返ってきている気がします。
以前は、基礎性能至上主義というか、分解能や音場などにこだわった「こんな音まで聞こえる!」という機種が多く出ていたような気がします。
それが、性能向上協奏は一段落して、「いかに楽しく音楽を聴けるか」という方向にシフトしてきているような印象があります。
今後の発展が楽しみです。