Blooming Wooing Audio

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P-700uのレビュー(Luxman)

Luxmanのバランスヘッドフォンアンプ、P-700uのレビューです。

 

ピュアオーディオで有名なLuxmanのヘッドフォンアンプ、P-700uです。大手国内メーカーではじめて、バランス駆動に対応したことで話題になりました。今となっては珍しくない価格帯ですが、当時としてはかなり挑戦的な値付けでした。昨今のヘッドフォンブーム火付け役の一翼を担った製品と言って良いでしょう。

 

発売から数年が経過し、後継のP-750uも発表されていますが、現在でもバランス駆動対応のHPAとして、最高峰の実力を持っています。

サイズ的には通常のオーディオ機器と同程度。ヘッドフォンアンプとしてはかなり大きい方です。また、Luxmanらしく、非常に重いです。

 

P-700uの仕様

入力はバランス(3pin XLR)2系統と、アンバランス(RCA)1系統です。DACは内蔵しておらず、アナログ入力のみです。

出力は3pinXLRのバランスヘッドフォン出力1系統と、アンバランス(6.3mm)2系統。700uには4pinのXLR出力がない点には注意が必要です。また、アンバランスのRCAにはパススルー出力があります。

他に機能として、左右のバランス調整と、入力感度の調整が可能です。

 

P-700uの音質

さて、音質をチェックしてみました。

接続した機器はPC→DA-06(Luxman)→(バランスケーブル)→P-700u。

使用したヘッドフォンはHD800(バランス接続)とEdition9(アンバランス接続)です。

 

一聴して、レベルの高さが判ります。

真っ直ぐに伸びていくような、澄み渡った音色です。一般にラックストーンと言われる、華やかなニュアンスも持っていますが、全体的にバランスが良く癖がありません。

描写の細かさはかなりハイレベル。HD800にしろEdition9にしろ解像度はかなり高い機種ですが、その実力を存分に活かしているようなイメージです。

帯域バランス敵にはかなりフラット。レンジ的にも上から下まで良く出ます。不自然に強調されたところがなく、ストレス無く聞くことが出来ます。

ノイズ感もほぼなく、設計のレベルの高さを覗わせます。また、音場もかなり明確。横への広がりは非常に優秀です。一方、奥行きはそれなりレベル。

 

X-HA1との比較

以前使っていたNmodeのX-HA1との比較ですが、価格差が3倍ほどあることもあり、さすがに差が大きいです。

X-HA1も全体的にレベルが高い機種ですが、音の細やかさや音場感、レンジの広さ、ノイズの少なさなど、すべての分野において、レベルが2つくらい上回っている印象です。ただ、バランスに関してはほぼ互角でしょうか。

 

総評

全体的に見て、いまだに世界最高峰のヘッドフォンアンプの1つだと思います。Luxmanという老舗だけあって、基礎性能の高さが群を抜いている印象です。際だった特徴こそありませんが、ヘッドフォンを選ばない、非常に優秀な機種だと思います。