SRM-727Aのボリュームバイパスレビュー(PM-15S1をプリアンプ利用)
STAXのドライバ、SRM-727Aをボリュームバイパスで使用したレビューです。
プリアンプとしてMarantzのPM-15S1を使用。イヤースピーカーはSR-009Aです。DACはLuxmanのDA06、ということで毎度の環境です。
前回の記事で書いたとおり、秋のヘッドフォン祭 2015でSTAXのSR-009AとSRM-727Aをセットで購入しました。恐らく、現状手に入るヘッドフォン環境としては最高クラスのもので、かなり満足していました。
SRM-727Aのボリュームバイパス機能
しかし、SRM-727Aにはボリュームをパスする機能がありまして、あまり評判のよくないボリューム部分をスルーすることができます。前段にプリアンプを繋いでボリューム調整をし、SRM-727Aをパワーアンプのみとして使うわけですね。
そんなわけでプリアンプを導入しようと思ったのですが、現状プリメインとして利用しているSoulnoteのsa1.0をスピーカーと併用するためには、毎回繋ぎ替えることとなり現実的ではありません。かといってスピーカーを使わないわけにもいきません。
プリアンプとしてのPM-15S1
そこでMarantzのPM-15S1を知り合いから譲り受け、プリアンプとして繋いでみることにしました。少し古い型ですが、アナログ機器で技術的にも枯れていますし問題はないでしょう。ちなみにPM-15S1にはスピーカー端子への信号をカットする機能がついていて、繋ぎ替えずともこれ一台でスピーカー用プリメインとヘッドフォン用プリアンプとして使用できます。
ま、sa1.0を気に入っているので、結局使い分けていますが。
ボリュームバイパス設定と接続
SRM-727Aのボリュームバイパス機能を有効にするためには、ケースを開ける必要があります。付属の六角レンチで側面のネジを4カ所開け、内部のスイッチを切り替えます。取説にちゃんと記載されているので問題ないでしょう。設定が終わったらケースを元に戻します。
PM-15S1のプリアウト端子からSRM-727Aのアナログインに繋ぎます。PM-15S1にはRCA端子しかないため、アンバランスでしか接続できません。ケーブルはAVCTのST-1Q-PCUHDを使用しました。
なんとなく怖いのでPM-15S1とSRM-727Aのボリュームを両方とも限界まで下げた後、スイッチを入れます。音を出してから、ボリュームを調整。PM-15S1のボリュームを上げると、音が聞こえて来ます。SRM-727Aのボリュームを幾ら回しても音量に変化はありません。無事、接続は成功。
音質
さて、肝心の音質です。
元々のSRM-727A → SR-009Aでも、十分過ぎるほど高い音質を得られていたのですが、さらにパワーアップしました。一聴して違いが解るほどの変化です。
一番大きく変化したのは低音の質感です。SR-009Aは元々制動が良いヘッドフォンですが、さらに精密さを増した印象があります。中音~高音についても、音の滑らかさがさらによくなりました。ただでさえ綺麗な音色がさらに一皮剥けたような感じです。
バランスについては変化していないように思います。音場についてはさらに横に広がりました。身体全体が包み込まれているような感覚です。
総評
全体的に音は良くなりました。ただ、ある程度以上のプリアンプで無いと逆効果になるような気がします。逆に言えば、PM-15S1よりさらにランクの高いプリアンプを使用することで、さらなるレベルアップをする可能性もあります。
とはいえ、投資をするとしたら最後になるでしょう。SR-009A、SRM-727Aと高レベルのDACがあって、そこからさらに、と言う方向けだと思います。