Blooming Wooing Audio

オーディオや音楽についてのblogです。手持ち機器のレビューやイベント参加感想など。

ヘッドフォン祭2015春に行ってきました!

昨年に引き続き、ヘッドフォン祭に行ってきました。会場は相変わらず中野。毎回のように苦言を呈していますが、上層階はイベントを行うことをあまり想定していないため、エレベータの台数が限られ、入退場はかなり不便です。国際フォーラムとかでやってくれないでしょうか……。主催者的に中野でやりたい気持ちも解るのですが。

LUXMANのブースで、DA-06にテレビの音が出ないことも伝えてきました。対応することはないと思いますが……。

 

今回も印象に残った製品をレビューします。色々聴いたので、長くなってしまいますが。

 

Pioneer SE-Master1

今回最大の目玉展示でしょう。試聴の列もずっと並んでいました。DAC/HPAのU-05とバランス接続しての試聴でした。XLRのバランスケーブルが公式で売り出されているとのことで、SennheiserSONYのひそみに倣った形になります。

高価格帯のオープン型としては、かなり元気な音色であるという印象を受けました。HD800やK812よりはPS1000eに近く、元気で艶がある音です。バランスはかなりフラット。音場は開放型としてはかなり狭めですが、PS1000eほどではありません。音の分離は良好。

他の10万クラスの開放型ヘッドフォンが、モニタ寄りになっていることを考えると、中々面白い音作りだと思います。元気な音が好きだけど、GRADOでは癖が強すぎる、という人にはお薦めでしょう。

 

OPPO PM-1 & HA-1

PM-1は密閉型ヘッドフォン、HA-1はDAC内蔵ヘッドフォンアンプ。4極のバランス出力も出来ます。

密閉型らしい音で、Edition9やTH900を彷彿とさせます。バランスはやや低音寄りで高音は大人しめ。音場はやはり狭め。音色はかなり魅力的です。

はっきり言って、FostexのTH900と真っ向からぶつかるように感じました。価格帯も音色もかなり近いです。高音の量くらいでしょうか、違いは。

HA-1は入力も多くて、なかなか優秀なように感じました。ただバランス出力が4極なのが個人的にはちょっと……。規格を早く統一して欲しいです。

 

ASUS Essence III

PCパーツやスマホで有名なASUSが出したDAC/HPAです。私の自作PCマザーボードはいつも、ASUSなのですが、オーディオに進出してくるとは思ってませんでした。

入出力は一通り揃っていますが、ヘッドフォンのバランス出力は出来ません。アナログ出力はありますが。基本的にはDACだということなのでしょう。

担当者が高音の広がりを意識した、と言っていたとおり、ややハイ上がりのバランス。低音は控えめですがタイト。音場は広いが分離はそこまで良くない。音色もそれほどではありません。

決して悪い音ではありません。しかし、同価格帯にDA-06があることを考えると、HPAがついているとは言え、コストパフォーマンス的にはかなり苦しいように思います。低価格帯モデルのEssence1の方が、その点では検討に値します。

 

Audio Technica ATH-CKR10

さて、実は1年以上前に発売されていたこのイヤフォン、なぜか今まで試聴していなかったのですが、驚きました。

ダイナミック型のユニットを平行に、しかも反対向きに並べた独自構造とのことです。

イヤフォンとしてちょっと他に例を見ない音がします。特に低音が素晴らしく、ここまでボリュームとタイトさを両立したイヤフォンは聴いたことがありません。オーバヘッド型でも稀でしょう。Edition9に匹敵しうるものです。これだけで買う価値は十分にあるでしょう。

一方で、音の分離や音場は平凡です。価格なりではありますが、各メーカーのフラグシップと比べると分が悪いのは否めません。

個人的には、これにさらにBA型を加えたハイブリット型を聴いてみたいのですが、さすがに難しいでしょうか……。

 

 

カスタムIEM系メーカ、聞き比べ

さて、実は今までカスタムIEMにあまり興味が無かったのです。中のユニットが音質に対して支配的であると私は考えているからです。とはいえ、食わず嫌いも良くないな、と聞き込んでみることにしました。とはいえ、カスタムしたものを試聴は出来ませんので、ユニバーサルモデルが中心です。

さて、お気に入りのK3003の牙城を崩せるのか、楽しみです。

 

Unique melody MASON & MARVERICK

まず、MASONの方はBA型の12ドライバ。ここまで多いのは珍しいですね。

バランスはフラットで良好。音の分離も中々悪くないが、線が細く少し分析的。音場はカナル型としては十分なレベル。全体としてややモニタ色が強い印象があります。

 

MARVERICKはK3003と同じハイブリット型。低音にダイナミックドライバがひとつ

残りはBA型とのことです。

ダイナミック型が入っているだけあって、音色は綺麗。バランスはやや低音より。高音の抜けが少し良くない。中音域はとても綺麗に出ます。

 

 

JH Audio Roxanne

こちらもBA型12ドライバ。ユニバーサルモデルです。個人的に名前が好きです。

肝心の音質ですが、かなり低音寄りで、ベースが膨らみます。あまりタイトではない。中音域ははっきり聞こえてくるが、高音の抜けは今一つ。音の分離が良くない。感じとして、Shureのイヤフォンに近い気がします。

 

Fit Ear 萌音17

アニソン向けカスタムIEMのブラッシュアップ版とのことです。こちらはユニバーサルでは提供されない模様。ブースには凄い人数が並んでいて、本当はParterreが聴きたかったのですが、こちらに案内されました。

バランスはかまぼこ形。ボーカルを意識したとのことで、さすがに音色は綺麗です。音場が狭く、本当に、歌を楽しみたい、というコンセプトで作られたのが判ります。分離はあまり良くない。

 

と、いうことで色々聴いてみました。ここに書いていないものもありますが、K3003から乗り換えたいと思うほどの機種はありませんでした。ひとつ選ぶならUnique MelodyのMASONでしょうか。基礎性能は一番高いように思います。

 

そんなこんなで、長くなりましたが、満喫しました。