SP-6P-PCUHDのレビュー(AVケーブルテクノロジーズ)
AVケーブルテクノロジーズのスピーカーケーブル、SP-6P-PCUHDのレビューです。
”ハイレゾ対応”を謳ったスピーカーケーブルというのも珍しいのではないでしょうか?
環境はいつも通り、スピーカーはNS-1 Classics、アンプはsa1.0です。
新素材PCUHDの実力は?
SP-6P-PCUHDは、名前から判るとおり、素材にPCUHDを使用しています。同じ古河電工というメーカーが作っているので、PCOCCの正統な後継素材ですね。同じくPCOCCを引き継いだ物にPC-TripleCもありますが、余所のメーカーがそう宣言して良いのでしょうか……。
ハイレゾ対応?
さて、昨今のオーディオ業界といえばハイレゾ一色です。が、話題となるのは音源やプレイヤー、DACまでで、アナログ段にまで言及されることはまずありません。
が、ハイレゾといえば、24bit192kHzといったような、多くの情報量を有しているのがポイントです。しかし、bit数はともかく、高周波帯域まで対応している製品は、意外と少ないのです。
例えば、私が使っている物の周波数帯域を調べてみると、K3003は10Hz~30kHz、HD800は6~51kHz、NS-1 classicsは60Hz~30kHzとなっています。アナログ部分なので、もちろん音が出ていないわけではないのでしょうが……。
SP-6P-PCUHDの周波数帯域
SP-6P-PCUHDの公式ページを見てみると、周波数特性が載っていて、100kHzまできちんと抵抗値を調整して作られているのが判ります。
ま、とはいえ、高周波が出ていたとしても、肝心の音が悪かったら何の意味も無いわけで。やはり耳に届くのは、一般に可聴帯域と呼ばれている20kHzくらいまでなので、最も重視されるのはその辺りでしょう。
一方で、20kHzまでの音をきちんと出すには、ある程度の余裕を持った設計が必須なので、結局のところ高音質菜製品は対応周波数帯域が高いと考えて差し支えないでしょう。
SP-6P-PCUHDの音質
で、肝心の音質です。
AVCTの特長である、フラットなバランスは健在です。超低域から高音域までバランス良く出ます。レンジも極めて広く、特に高音は綺麗に伸びきった澄んだ音色です。音の抜けが良く、とても見晴らしが広く感じます。中音域はあまり強調されず、綺麗に音場が配置されている印象。低音も量はあまり多くないですが、きっちり制御されたタイトな音質です。全体を通して非常に洗練されています。非常に基礎性能が高いことが判ります。
対応を謳ったハイレゾ音源に切り替えてみました。
同じハイレゾでも音源によるところが大きいのですが、一つ一つの音色がよりリアルになったように感じます。また、空気感が増したように感じました。生音でないと違いが判りにくいですが……。ソースの情報量が多くなった音型をダイレクトに受けられている実感があります。
総評
ハイレゾ対応は伊達ではありません。超高域までレンジが広い恩恵は非常に大きいように感じます。まさに、今の時代に相応しい、最新の製品です。
しかし、その特長がおまけに感じられるほど、基礎的な性能が優秀なモデルです。レンジの広さ、バランスの良さ、音の再現性と、非の打ち所がありません。
ハイレゾ環境でスピーカーを使っているならマストバイな一本と言って良いでしょう。