Blooming Wooing Audio

オーディオや音楽についてのblogです。手持ち機器のレビューやイベント参加感想など。

SU-AX7のレビュー(JVC Kenwood)

JVC KenwoodDAC内蔵ポータブルヘッドフォンアンプ、SU-AX7のレビューです。

 

さて、春のヘッドフォン祭のときに、個人的に強い印象を受け、購入を決意したSU-AX7だったのですが、ついに購入しました。デジタル物は新製品を購入するのがちょっと怖いので様子を見ていたのですが、取り立てて大きな問題は出ていないようだったので、踏み切りました。

 

外観・使用環境

SU-AX7の出力はヘッドフォン端子(3.5mm)のみです。入力はUSB A(iPhone,iPod,iPad)、micro USB(PC/充電)、光、アナログ(3.5mm)の4つです。

また、スイッチが3つついていて、インプット・セレクタ、Gain切り替え、そしてK2テクノロジィの切り替えです。

ボリュームがスイッチも兼ねています。大きさもほどよく、回しやすい。全体的に質感もとても良いです。

 

私は外で使うことを目的に購入したので、基本はiPod Classicとの二段構えです。イヤフォンは当然AKGのK3003。iPodとSU-AX7の間はFurutechのID30PAをチョイスしました。レビュー内容は、特別但し書きが無い限り、この環境が基本です。

ちなみに。持ち歩くには結構重いです。スーツの内ポケットに入れるの躊躇する重さ。腰にぶら下げても、少し気になります。鞄に入れておいて、イヤフォンコードを引き伸ばすのが現実的でしょうか……。

 

音質

最高、の一言。現状手に入るポータブル環境としては、この組み合わせを超える物は中々無いのではないかと思います。

元々、K3003はかなり細やかな音まで繊細に鳴らしきるタイプのイヤフォンですが、SU-AX7に繋げると、実力がさらに発揮されます。やや控えめだった低音の量が、良質のまま存在感を増し、完璧なまでの万能選手になります。

バランスは上から下までフラット。微細な表現はもちろんの事ながら、ドライブに余裕が出来たためか、音の一つ一つの迫力も増します。それでいて不自然な強調などはなく、あくまでもナチュラルに、それでいてイヤフォンの実力を十二分に引き出してくれる、最高の逸材です。

とにかく、滑らかで波形が忠実に出てくる印象です。クラシックはじめ、生楽器重視なら、これ以外の組み合わせは考えられません。女性ボーカルも非常に魅力的です。パンクや縦ノリ系にはちょっと向いていないと思います。

 

K2テクノロジー

JVCの誇る、高音域補正技術だそうです。昔、KenwoodもSupremeなる技術を使っていましたが、ほとんど似たようなものらしいです。

On/Offを切り替えてみます。が、音源がLosslessの場合、あまり変化を感じません。少し、滑らかになっているように感じる曲と、逆に余計な付帯音がついたように感じる曲があります。うーん、アコースティック系の生楽器だと良い効果が出るのですが、打ち込み系だと逆効果、かも。どちらにせよ、微細な変化ですし、もはや好みのレベルです。

音源がmp3の場合、変化が顕著に判ります。こちらは総じて好印象。まあ、この価格帯の機器を買う人のDAPにmp3のソースが入っていることは稀だとは思いますが……。

 

 

他の組み合わせ

さて、K3003以外のヘッドフォンも繋いでみました。Edition9やHD25-1などは簡単にドライブできるほどの出力がありますし、それぞれの魅力を存分に発揮してくれます。一方、さすがにK701やHD800くらい能率が悪い機種になってくると、Gainを高くして、ボリュームをかなり捻ることになります。まあ、よっぽど大音量で聴きたい、と思わない限り、問題なく音量をとれると思います。

 

PCとの接続

なんと! うまくいきませんでした。どうも、iFiのiLinkのドライバと何かが競合しているようです。iFiのドライバをアンインストールすると動くのですが……。まあ、据え置きで使う予定はないので、早々に諦めました。

 

総評

DAP内蔵のポタアンとして、最高クラスの音質を持っています。SonyのPHA-1/2/3やFostexのHP-P1あたりが主な対抗機種となると思いますが、頭一つ抜けている印象です。外で良い音を楽しみたいなら、是非SU-AX7を選ぶべきでしょう。

 

JVC SU-AX7 ポータブルヘッドホンアンプ ハイレゾ音源対応

JVC SU-AX7 ポータブルヘッドホンアンプ ハイレゾ音源対応