Blooming Wooing Audio

オーディオや音楽についてのblogです。手持ち機器のレビューやイベント参加感想など。

シンガポールのオーディオ事情(非ヘッドフォン編)

2014年の頭までシンガポールに住んでいました。(イギリスに住んでいたこともありますが……)ちょっと海外のオーディオ事情について書いてみようと思います。ただ、ヘッドフォンはちょっと事情が異なるので、今回はスピーカーやアンプ、プレーヤーなどを中心に扱っている店です。

 

シンガポールのショッピング事情

そもそも、シンガポールではショッピングの事情が日本とは異なります、

向こうでは、お店はショッピングセンターに入っていることが多く、またセンターごとにお店の棲み分けが為されています。かなり曖昧なところもありますけどね。

たとえば、高級ブランドが多く入ったショッピングセンターや、もっと普及価格帯のお店が多いところ、あるいは家具屋ばかりだったり、楽器屋しかないセンターもあります。さらに、日系企業が多い、日本人御用達のショッピングセンターや、同様にフィリピン人御用達やマレー系御用達などの人種別に棲み分けがされているケースもあります。

そんな中に、オーディオ専門店が集まるショッピングセンターも当然存在します。

 

 

The Adelphi

そんなわけで、高級オーディオ店が集まるショッピングセンターといえば、The Adelphi(アデルフィ)という場所になります。はっきり言って、シンガポールピュアオーディオをやろうと思ったら、ここ以外に来る必要はありません。ここで全て揃いますし、ここに無かったら、シンガポール国内のどこにも無いと思った方が良いです。

 

The Adelphiはシンガポールの中心部に近い、MRT(地下鉄)のCity Hall駅から、歩いて3,4分といったところでしょうか。なぜか道に屋根があるので、雨が降っていても、横断歩道を渡るとき以外は濡れずに行けると思います。まあ、シンガポールはタクシーがすごく安いので、気軽に利用できますが。運転手に言えば、大体連れて行ってくれます。運が悪いと場所を知らないのですが、「Funanの隣」と言えば通じます。ちなみにFunanとはAdelphiの隣にある、電器屋が多く集まったショッピングモールです。

 

Adelphiの中の、大体2/3くらいはオーディオ屋です。他に美容院などがちらほらあります。下の方に、怪しげなマッサージ屋がいくつかあるのですが、利用したことはないので実態は判りません。

 

入ってみると判るのですが、オーディオ屋、ほとんど閉まっています。扉が閉ざされ、店内の照明も消えています。しかしドアに張り紙がしてあって、「用があったらここに電話してね!」と(もちろん英語で)書かれています。どうやら、同じショップが複数のブースを借りていて、全店舗に人員を配置出来ないみたいです。

 

取り扱っている物は日本のオーディオ屋とあまり変わりません。欧米のブランドが中心ですが、日本のYAMAHAやMarantzなどもかなり見かけます。ヨーロッパが多いでしょうか。Cambridge AudioやDynaudioをよく目にしました。

 

買い物は難しい?

ちなみに。こちらの店員さん、かなり商魂たくましく、試聴して買わないなどと言おうものなら、「どこが悪かった?」「どんな風にしたいんだ?」と質問攻め。適当にお茶を濁そうにも許してくれません。はっきり気に入らない点を伝えれば、納得してはくれるのですが……。

 

さらに。値札がついていないことが多いです。つまり、店員さんとの値段交渉が必須です。上手く駆け引きすれば、日本で買うよりかなり安くなりますが、下手をすると、相当にぼられるようです。(幸い、オーディオ店で失敗したことはありませんでしたが……)

商談の途中で、国籍を訊いてきたら注意した方が良いかもしれません。基本的に日本人はカモだという風潮が、シンガポールにはあります。

最低でも、日本での値段を事前にリサーチして、予算を決めてから挑むべきだと思います。

 

 

Sim Lim Square & Sim Lim Tower

さて、Adelphi以外でも店が無いわけではありません。ちょっとピュアから外れたことをやろうとする場合、別のショッピングセンターに行かないといけないのです。

それがSim Lim SquareとSim Lim Towerです。名前が似ていることからわかるように、かなり近く、交差点を挟んで反対側。

場所はちょっと不便です。一応最寄り駅はBugisとなりますが、少し歩きます。他にLittle IndiaやDhoby Ghaut辺りもあまり距離が変わりません。3つの駅のど真ん中にあるのですね。一応バス停は近くにありますが、シンガポールに慣れていないと上手く利用できないと思います。

一番確実なのはタクシーです。Sim Lim Squareを知らない運転手はシンガポールにはいません。確実に通じます。

 

さて、まずSquareの方ですが、こちらはパソコン関連のショップが集まっているショッピングセンターです。秋葉原の、末広町に近い辺り、とでも言いましょうか。(最近はかなりPCショップが減っているようですが) パソコンのパーツや本体、周辺機器、スマホなどを扱う店が多いです。

そのため、PCオーディオをやりたい人はこちらに来る必要があります。USBオーディオ機器やサウンドボードはこちらの方が品揃えが良いからです。他に、3軒ほどオーディオ屋もありますが、こちらはAdelphiに行った方が良いかも。

 

また、Towerの方ですが、こちらは自作派向けです。銅線や熱収縮チューブ、あるいはスピーカーユニットなどが売っているのはこちらです。同じ秋葉原でもラジオデパートの様な佇まいです。工具などもこちらでお求めを。

 

このSim Limの二つのショッピングセンターでは基本的に値札がついているので、レジに持っていくだけで済みます。ちょっと安心。

 

 

気になるお値段は

日本に比べても、まちまちです。安かったり高かったり。為替の変動の影響が大きいので、時期によってかなり違うと思います。これを書いている時点では円安なので、安くは感じないかと思います。

 

まず、日本と違って「国内メーカー」が基本的にはありません。Creativeはシンガポールのメーカーですが、別に安いわけでもありません。

 

日本メーカーですが、国内よりやや高め。Audio technicaやMarantzなどはちょっと乗ってるくらいですが、SONYなんかは結構上乗せされています。まあ、輸出入の費用がかかっているので当然ですが。

 

次に欧米メーカーですが、これがまちまちです。はっきり言って、輸入代理店のマージン率に依存します。

Cambridge Audioなどはかなりお安いです。(日本の代理店がマージンを多く取っているだけですが)DynaudioやB&Wも少し安かったように感じます。Harmanは逆に少し高めに感じました。

 

まとめ

とりあえず、The Adelphiに行くだけで済みます。ここで無かったら諦めるしかありません。(ネット通販などもありますけど)品揃えは決して悪くないので、よほど変なこだわりが無い限り、問題はないでしょう。後は店員との交渉次第で、かなりお求めやすくなりますよ。