PS-35のレビュー(AVケーブルテクノロジーズ)
AVケーブルテクノロジーズの電源ケーブル、PS-35のレビューです。
PS-35は切り売りの電源コードです。プラグはついていないので、別途用意する必要があります。
私はPS-35を3本持っています。一本目は壁コンセント SWO-XXX と電源タップ e-TP60 の間、二本目はプリメインアンプ sa1.0、最後の一本はヘッドフォンアンプである Black cube linearに使用しています。
PS-35の音質
付属の電源ケーブルからPS-35につなぎ替えると、あまりの変化にびっくりします。かなり優秀なケーブルであると同時に、リーズナブルな点も見逃せません。体感ですが、10万円クラスのケーブルと比べても引けを取らない名器です。
音のバランスとしてはかなりフラット。よく聞き込むと少しかまぼこ形かもしれません。とても音楽的な響きを有しています。
低音はかなり深いところまで沈むように感じます。量は若干控えめなので、ベース命! な人には向かないかと思います。逆にジャズやクラシックなどウッドベースが好きな人には代えが利かない一品だと思います。もちろん、エレキベースでもその魅力は存分に発揮されます。
高音はやや控えめ。あまり強調されないため、キラキラした爽快感はありません。その分、不自然さはなく、素直に伸びていく印象です。
特筆すべきは中音域の音の綺麗さです。ボーカルや弦楽器、木管楽器などがとても心地よく聞こえます。美音を目指しているのなら、まずはこのケーブルを試すべきだと断言できます。
また、分解能、音の再現性に関しては白眉です。他の追随を許さぬ出来です。
PS Audio Prelude との比較
他に持っている電源ケーブルがこれしかないので必然的にPS Audio Preludeとの比較となります。
まず、バランスが大きく異なります。Preludeは明らかに低音が強調されています。一番低いところ、というよりはベース付近の周波数なのでしょうか。BoseやBeatsのヘッドフォンのよう、と言うと解りやすい人もいるかも知れません。
一方、PS-35はかなりフラットです。癖がないと言うか、特長がないというか。かなり上質で、慎重に設計されているのが聞いただけで判ります。
一番大きな違いは帯域の広さです。Preludeに比べ、PS-35の方が、圧倒的に広帯域です。低音も高音も明らかに広く、伸びきっているのが判ります。高音域がきちんと出るので、解像度や音の再現性も圧倒的に差があります。
帯域が狭い分、Preludeには力感があります。ガツっとパワフルに聞かせたいときはこちらの方が向いているでしょう。しかし、基礎的な実力があまりに違うため、聞き比べるとどうしてもPS-35の方が優れています。
総評
純粋に電源ケーブルとして非常に素晴らしい製品です。広帯域・高解像度を実現していて、しかも価格もあまり高くありません。切り売りなのでプラグを自由に選択できるのも楽しみの一つです。
特にアコースティック系の音楽を聴く場合には、一本持っていて損は無い製品です。そう力強くお薦めできます。