ST-1Qのレビュー(AVケーブルテクノロジーズ)
AVケーブルテクノロジーズのアナログバランスケーブル、ST-1Qのレビューです。
バランスとアンバランス
オーディオ信号を伝えるインターコネクトケーブルにはバランスケーブルとアンバランスケーブルの2種類があります。通常の機器で使われているのはRCAコネクタのアンバランスです。アンバランスの方がバランスに比べ機器内の配線がシンプルで済みコストが抑えられる、というメリットがあります。しかし、伝送時に音質に与える影響を考えると、バランスの方がはるかに有利です。
そのため、機器が対応しているのならばバランスケーブルで接続した方が音質的には向上するでしょう。
バランスケーブルの構造とメリット
バランスケーブルの特長は、ケーブル内部にあるHotとColdの2本の線が電気的に同じ位置にあることです。その2本の線を撚り合わせることでバランスケーブルは出来ています。
そのため、ノイズに強いというのがメリットとしてあげられます。行きと帰りの線にかかる電圧が等しいため、磁界が打ち消し合うためです。
ST-1Qの音質
PS AudioのDLIIIとヘッドフォンアンプ(BCL Pro or X-HA1)の接続に使用しています。
少し聴いただけで、バランスの良さが際立っていることに気が付きます。低音から高音まで不自然に強調されていたり音量が小さいところがありません。よほど綿密に設計したのでしょう。非常にフラットで、むしろ特長の無さが気になるくらいのレベルです。
また、解像度の高さも特筆物です。解像度や音色の決定は超高周波をどれだけ正確に伝送できるかにかかっているのですが、そこまで計算に入れて作られているのでしょう。一つ一つの細かい音までしっかりと描き出してくれます。
非常に高いレベルで作られたケーブルです。価格を考えると、奇蹟としか思えないほどの高音質です。
総評
まず、バランス伝送することのメリットが非常に大きいです。その上で、ST-1Qはとても優秀なケーブルです。十万円クラスのケーブルと十分に太刀打ち出来るほどの実力を秘めています。特にバランスの良さ、音色の再現性は白眉です。