Blooming Wooing Audio

オーディオや音楽についてのblogです。手持ち機器のレビューやイベント参加感想など。

P-700uのレビュー(Luxman)

Luxmanのバランスヘッドフォンアンプ、P-700uのレビューです。

 

ピュアオーディオで有名なLuxmanのヘッドフォンアンプ、P-700uです。大手国内メーカーではじめて、バランス駆動に対応したことで話題になりました。今となっては珍しくない価格帯ですが、当時としてはかなり挑戦的な値付けでした。昨今のヘッドフォンブーム火付け役の一翼を担った製品と言って良いでしょう。

 

発売から数年が経過し、後継のP-750uも発表されていますが、現在でもバランス駆動対応のHPAとして、最高峰の実力を持っています。

サイズ的には通常のオーディオ機器と同程度。ヘッドフォンアンプとしてはかなり大きい方です。また、Luxmanらしく、非常に重いです。

 

P-700uの仕様

入力はバランス(3pin XLR)2系統と、アンバランス(RCA)1系統です。DACは内蔵しておらず、アナログ入力のみです。

出力は3pinXLRのバランスヘッドフォン出力1系統と、アンバランス(6.3mm)2系統。700uには4pinのXLR出力がない点には注意が必要です。また、アンバランスのRCAにはパススルー出力があります。

他に機能として、左右のバランス調整と、入力感度の調整が可能です。

 

P-700uの音質

さて、音質をチェックしてみました。

接続した機器はPC→DA-06(Luxman)→(バランスケーブル)→P-700u。

使用したヘッドフォンはHD800(バランス接続)とEdition9(アンバランス接続)です。

 

一聴して、レベルの高さが判ります。

真っ直ぐに伸びていくような、澄み渡った音色です。一般にラックストーンと言われる、華やかなニュアンスも持っていますが、全体的にバランスが良く癖がありません。

描写の細かさはかなりハイレベル。HD800にしろEdition9にしろ解像度はかなり高い機種ですが、その実力を存分に活かしているようなイメージです。

帯域バランス敵にはかなりフラット。レンジ的にも上から下まで良く出ます。不自然に強調されたところがなく、ストレス無く聞くことが出来ます。

ノイズ感もほぼなく、設計のレベルの高さを覗わせます。また、音場もかなり明確。横への広がりは非常に優秀です。一方、奥行きはそれなりレベル。

 

X-HA1との比較

以前使っていたNmodeのX-HA1との比較ですが、価格差が3倍ほどあることもあり、さすがに差が大きいです。

X-HA1も全体的にレベルが高い機種ですが、音の細やかさや音場感、レンジの広さ、ノイズの少なさなど、すべての分野において、レベルが2つくらい上回っている印象です。ただ、バランスに関してはほぼ互角でしょうか。

 

総評

全体的に見て、いまだに世界最高峰のヘッドフォンアンプの1つだと思います。Luxmanという老舗だけあって、基礎性能の高さが群を抜いている印象です。際だった特徴こそありませんが、ヘッドフォンを選ばない、非常に優秀な機種だと思います。

 

 

 

ヘッドフォン祭2017春に行ってきました!

半年に一度の祭典、ヘッドフォン祭2017春に行ってきました。会場は相変わらず中野サンプラザ

運用がちょっと変わったのか、入場はスムーズになりました。今回は30分ほど前につきましたが、開場の直前には展示階まで入れました。素晴らしいと思います。

 

さて、毎回財布の紐を締めて行っているつもりなのですが、今回も散財してしまいました。LuxmanのP-700uをついに購入。3年くらい買うかどうか悩んでいた物です。後述しますが、後継機P-750uを聴いての判断です。

 

さて、前々から気になっているコンデンサ型ドライバの新製品がいくつか発表されましたので、それを中心にレビューです。

 

STAX SRM-T8000

ついに出ました。約10年ぶりに、STAXのドライバがモデルチェンジ。

真空管半導体のハイブリッドとのことで、たしかにSRM-727Aと007taの間のようなイメージの音がします。機能的には727Aを踏襲し、ボリュームスルーも搭載。

前モデルの007taは、艶っぽい華やかな音色が特長でしたが、ややノイジーという弱点が有り、逆に727Aは非常に澄んだ音がする一方で、無味乾燥なイメージがありました。

T8000は両方の良いところ取りをしたようなイメージです。727Aに比べややかまぼこ型のバランスで、音色はとても魅力的。それでいて静謐さというか、細やかな部分までまざまざと描き出してくれます。

ただ、お値段が60万円弱。SR-009Aより高いとは……。前に話を聞いたときには、そんなには高くならないような感じだったのですが。ヘッドフォンよりアンプの方が高価というのは不思議な感じがします。

これはむしろ、イヤースピーカー側もそれに見合った新機種が出る、ということなのでしょうか?

 

iFI-Audio Pro iESL

iFiのコンデンサ型ヘッドフォン用、出力用ユニットです。ついにデモ機がお目見えしました。

本体はボリュームが無いので、基本パワーアンプとしての運用。つまり、前段にプリアンプ的な何かが必要です。同じiFiのPro iCanと繋げて使う想定なのでしょう。他に4pinXLRとスピーカーターミナルでの入力が可能とのこと。

残念ながらブースにSTAXのヘッドフォンが置いていなかったので、単純な比較は出来ませんが、割とパワフル系の音がする印象です。ややドンシャリ寄りでしょうか。ぜひ、一度SR-009Aとのセットで聴いてみたいところです。

 

お値段はProシリーズと同じくらいになりそう、とのこと。Pro iCanとのセットだと40万超となり、それなりのお値段ですが、T8000よりは安価。試聴貸し出しを予定しているそうなので、場合によっては申し込むかもしれません。

 

Blue Hawaii

たしか、MrSpeakersのブースにあったかと思うのですが、コンデンサ型ヘッドフォンの試作機のドライブに利用されておりました。こちらもヘッドフォンが違うので、あまり参考になりませんが、締まった音がします。ややレンジが狭い印象ですが、とても元気な音色が好印象でした。

 

 

その他、コンデンサ型ヘッドフォンドライバ以外の試聴です。

 

GRADO PS2000e

ついにPS1000の後継機が出ました。見た目はPSシリーズそのまま。すこしバンドが大きくなったそうで、装着感が良くなりました。GRADOと言えば、つけ心地の悪さで有名でしたが、かなり改善されています。

音色はPS1000の正統進化版。この暴れん坊っぷりは他では決して真似出来ない音でしょう。超パワフル。ノリと勢いにかけては他の追随を許しません。それでいて音楽を破綻させないバランス感覚。脱帽です。

2000になって、基礎能力的にかなり向上した印象があります。解像度に関してかなり高級ヘッドフォンっぽくなってきました。

お値段は30万円前後の予定とのこと。バランス版が出るかは未定。

 

ヘッドフォンを使い分ける人には、是非持っていて欲しい一台です。

 

LUXMAN P-750u

LUXMANの名器にして、バランス出力アンプの地位を確固とした歴史的名作、P-700uの後継機です。機能的には4pinのXLR出力を搭載したくらいが変化でしょうか。この感じだと、将来的にバランス出力は4pin XLRに集約されるのでしょうか……。

さて、音質ですが、ややロー上がりになった気がします。元々がかなりフラットなので、少し目立つ印象。基礎性能に関しては相変わらず、非常に高いです。

絶対的なレベルに関しては700からほぼ変化がないかと思います。新フラグシップというよりはマイナーチェンジの方が近いでしょう。値段的には少し高くなりますが……。

700uはディスコンになるとのことなので、入れ替わりのポジションとなると思います。部品の生産終了とかがあったのでしょうか……。とまれ、700から買い替えるほどの違いはないかと思います。

 

SONY Just ear

天下のSonyが出したカスタムイヤホン。ダイナミックとBAのハイブリッドのようです。音色も数種類からカスタム出来るとのこと。大手なのに攻めてますね。本業が好調だから色々挑戦できるのでしょうか……。

モニタ・リスニング・クラブの3つのタイプを聴かせて貰いました。後ろに行くほどバランスがロー上がりになります。モニタが一番好みでした。

うーん。低音はよく制動されていますし、中音域も綺麗です。ただ、高音の伸びは今ひとつでやや籠もっているような気がします。

カスタムの高級機がたくさん出ている中では少し厳しいような気がします。

 

SONY TA-ZH1ES

こちらは据え置き型DAC内蔵ヘッドフォンアンプ。とはいえ、ブースの人曰く、デジタルアンプなので、DA変換は最後の最後、と仰っておりました。

出力はバランス端子が3.5の4pin端子(標準化したと主張しておりましたが)を採用。3.5×2も可能とのことですが。あと、4pinXLRとアンバランス2種類。独自端子を採用しつつ、ディファクトスタンダードも採用、とちょっと中途半端な印象。あとプリアウトがあります。

入力は光と同軸、USB。アナログRCAも受けられるようです。

割とドンシャリな音がしました。楽しくリスニング出来る音作りです。上記のJust earもですが、Sonyは会社として、『楽しいリスニング』を目指している気がします。

オールインワンの、割と良い機種だとは思うのですが、値段に見合うかというと、少し厳しいような気がします。10万クラスのDACとヘッドフォンアンプをセットで買えば、それで良いような……。

 

RE LEAF E3 Hybrid

Current DriveとVoltage Driveの世界初のハイブリッド構成を謳ったヘッドフォンアンプです。

Re Leafといえば、いつもとんでもない値段のアンプを出しているメーカという印象だったのですが、今回は少し御休め。それでも60万くらいですが。

HD800がつないであったのですが、凄く良い音がしました。これだけの値段がするだけのことがあります。

まず基礎性能が非常に高い。音の細やかさ。音場の正確性。バランスのフラットさとほぼ満点の評価。それでいて、過度にモニタリングに特化しているわけでも無く、楽しく音楽を聴ける味付け。極上の機器です。以前に聴いたE1よりも(値段は安いはずですが)好きな音です。

 

Current Driveの説明をブースで伺ったのですが、ちんぷんかんぷんでした。アンプ回路の専門家では無いので……。

現存するアンプの中では、最高の一台では無いでしょうか。

 

Chord Blu mk2 + DAVE

ChordのCDトランスポートとヘッドフォン・プリアンプ内蔵DACです。セットで試聴。ヘッドフォンはTribute7でした。

Bluの方はCDトランスポート、なのでデジタル出力のみ。いまどきCDの再生って市場があるのか?と思ったのですが……。実はUSB入力がついており、アップサンプリング可能なDDコンバータとして使用可能とのこと。恐らく、こちらがメインなのでしょう。

なんと、最大 705.6kHzにまでアップサンプリング出来るとのこと。そんなのを受けられるのはDAVEしか無いと思いますが……。

凄いとは思うのですが、あまりにニッチな気がします。お値段120万円とのことですが、DDCにそこまで出せるのは、8桁以上のスピーカーを使っている人だけじゃないかと思うのですが……。

 

番外編

マス工房のブースに往年の名機にして史上最大の変態ヘッドフォン、AKGのK1000がありました。

ずっと興味があったのですが、初めて聴くことが出来ました。20年前の機種と思えないほど、素晴らしい音色。音場が「ヘッドフォンと思えない」レベルです。つーかヘッドフォンじゃ無いでしょう、これ。

ただ、音漏れがする、というか、頭にスピーカーをぶら下げているというか。装着感も最悪です。

まあ、音は非常に良い物ですし、歴史的にも価値のある物だと思いますので、一度はあたまに被ってみるのが良いと思います。

 

 

と、今回も実り多きお祭りでした。また散財してしまいましたが……。とまれ、P-700uが届くのと、半年後の開催を楽しみにしたいと思います。

ポタフェス2016冬に行ってきました!

12/17,18日に秋葉原で開催されたポタフェス2016冬に行って参りました。昨年は行き逃してしまったため、2年ぶりの参加となります。

 

ヘッドフォン祭と比べると、やはりアクセスの良さが際立ちます。ただ、展示の床面積は狭いです。また、スピーカーを使うことが多いためか、周りの音が気になるケースが多い気がします。一長一短ですね。

 

以下、気になった物レビュー。

 

AKG K872

AKGの新作。密閉型のフラグシップとのこと。この間のヘッドフォン祭に出展されていたようなのですが、聞き逃していました。ようやくリベンジを果たせました。

ドライバは開放型のフラグシップであるK812と同一とのこと。ブースの人によるとケーブルなども同じで、違うのはハウジング部くらいのようです。

 

音色としては、同じドライバを使っているとは思えないくらい、K812とは違う音がします。続けて試聴したので、違いが解りやすかった。

どちらかというと、モニタライクの音、とブースの人は言っていましたが、あまりそんな感じはしませんでした。やはり、密閉型らしく、少し籠もったような感じを受けます。耳の近くで音が展開しているような。

K812をだだっ広い草原で聴いているような感じとするならば、K872は屋内の少し狭いホールで聴いているような印象があります。

バランスはややかまぼこ形。レンジはそこまで広くない印象。音場も密閉型らしく、やや狭め。音の再現性はやはり高いものがありますが、K812に比べ勝っているかと言われると………。

 

密閉型なので、音漏れがしないという大きなメリットはありますが、それを気にしないならK812の方が殆どの要素において勝っているように感じました。

 

 

iFi Pro iESL

 

近年、魅力的なヘッドフォン周りの新作を出してきているiFiの、iCan Proのモジュールです。なんと、コンデンサ型ヘッドフォンをドライブできる機器。今回は試作機とのこと。

iCan Proのページにしれっとこのモジュールについて予告してあり、気になっていたのですが、ようやくお目見えしました。が……。

調子が悪かったようで、音は聞けませんでした。ブースの人にスペック等だけ訊きました。

出力はコンデンサ型の5極の端子。電圧をいじれるため、STAXやKINGSOUND、果てはSennheiserのOrpheusまでドライブ出来るとのこと。そして、iESL自体にはボリュームが無いため、音量は前段で調節するとのこと。

そのため、問題となりそうなのが、入力部分。基本はiCan PROとHDMIケーブルで接続するとのこと。送るのはアナログ信号のようですが……。

さらに4pinのXLR端子。うーん。4pinで出力出来るアンプを持っていれば可能ですが……。3pin XLR × 2のアンプだと対応出来ない。

それ以外だと、スピーカー端子での入力となるようです。パワーアンプからスピーカーケーブルを使用しての伝送。あまり聞かないパターンです。AKGの名器、K1000くらいでしょうか……。

 

とりあえず、ブースの人にXLRの入力をつけて欲しい、とお願いしておきましたが。難しいでしょうか……。

お値段はiCan PROと同レベルくらいではないか、とのこと。

 

ちなみに、STAXの新ドライバは来年夏頃お目見え予定、とのこと。球か石か、と訊いてみましたが、教えてもらえませんでした。

 

私としては、夏まで待って、良い方を購入、となります。今から貯金しておかねば……。

 

 

KSE1500のレビュー(Shure)

Shureコンデンサ型イヤフォン、KSE1500のレビューです。

 

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Shureは元々マイクの音響機器のメーカとして有名でしたが、高級イヤフォンの世界にもいち早く参入しています。E2cやE4などが高い評価を得ていて、高級イヤフォン黎明期にはShureEtymotic Researchの二強だったように記憶しています。

 

先日のヘッドフォン祭でついつい買ってしまいました。イヤフォンとしては最高クラスの価格かと思いますが、それに見合うだけの実力を持った機種です。

 

KSE1500の仕様

KSE1500は一般的なイヤフォン・ヘッドフォンとは異なり、コンデンサ型です。STAXが有名ですね。そのため、通常のミニプラグなどで動かすことが出来ず、専用のドライバ必要です。

KSE1500にはDAC内蔵のドライバが付属しており、USB入力とアナログのLINE INが利用可能です。USBはPCとiOSAndroidに対応。充電も兼ねています。出力はKSE1500のみで、一般のイヤフォンなどは動かせません。

 

ドライバの機能としてイコライザ機能がついていますが、うーん、必要でしょうか。どうせ動かせるのはKSE1500だけなので、弄ることはそうそう無いと思います。

 

KSE1500の外観

ドライバの大きさはiPod Touch(第6世代)とほぼ同じ程度。厚みが3cm弱です。そんなに重くないので、持ち歩くのも苦になりません。バッテリーの持ちはUSB入力、EQ不使用で6時間ほどでしょうか。ロスレス再生だと、iPodの方が先にバッテリー切れになりますので、十分でしょう。

イヤフォン部分の形状は他のShureのイヤフォンと同一。Shure掛け前提となります。個人的にはあまり好きじゃないのですが……。

ちなみに、ステムの外径も他のShure製品と同じなので、イヤーチップは使い回しが可能です。UM56などを作っている場合にも流用可能、とのこと。早速オーダしました。到着待ち。

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KSE1500の音質

さて、問題の音質です。

最高、の一言です。もう、これで終わらせても良いほどです。

他のShureのイヤフォンとはだいぶ印象が異なります。

SEシリーズは低音が強く、中高域が華やかですが、やや高音が伸びきらない印象だったのですが、K1500はかなりフラット寄りで低音が大人しい印象です。高音は綺麗に伸びきり、中音は瑞々しく慣らしきります。K3003と比べても二つほど抜けている印象。

分解能と音の再現性は特筆物です。ここまでのものはイヤフォンどころかヘッドフォンでもSR-009くらいでしょう。本当に、録音されている全てを慣らしきっているような感じがします。

音場に関しては明確ではありますが、広さはそこまでではありません。イヤフォンとしては健闘していると思いますが、如何ともし難い部分なのでしょう。

 

まとめ

現時点で、音質に関しては間違いなく、最高のイヤフォンです。

この価格帯になってくると、ライバルがカスタムのフラグシップモデルとなりますが、KSE1500の方が一枚も二枚も上手です。

ただ、DAC以降が固定なので、色々試してみる楽しみはなくなってしまうかもしれませんが……。

 

 

 

香港のヘッドフォン事情

以前、シンガポールのオーディオ事情という記事を書きました。この間、香港に出張に行ったついでにヘッドフォン屋に寄ったので、書き残しておこうと思います。

 

とはいえ、シンガポールは二年ほど住んでいたのでかなり詳しく書けましたが、今回はただの出張なので、あくまでただの体験談としてお読み下さい。

 

Wan Chai Electronics Centre

 まず行くべきは、湾仔にある、Wan Chai Electronic Centreというショッピングモールです。PC関係の小さなショップが集まっているモールで、シンガポールで言うSim Lim Squareにイメージは近いでしょうか。(もうちょっと綺麗ですが)

 

その2F(日本で言う3階です。香港にはGlound floorがあるため)にいくつかヘッドフォンショップがあります。店によって多少は違いますが結構な品揃えでした。

11月の頭に行ったのですが、すでにFOCALのUTOPIAやWestoneのW80が既に売っていました。日本とほぼ同じレベルで、新製品が並んでいます。

他にAKG、オーテク、SONYSennheiserShureなど、イヤフォンの有名どころは一通り揃っています。ただ、ヘッドフォンはちょっと手薄なイメージです。アンプも、ポタアンはちらほら見かけましたが、据え置き型はほとんど見ませんでした。

 

気になるお値段ですが、日本より少しお安い印象。その日の日本円換算でUTOPIAが45万円ほど。AKG K812も12万円ほどで、買おうかどうか、一瞬悩みました。

 

注意点としては、開店時刻が非常に遅かったこと。10時頃に行ったら店がほとんど開いていなく、近くにある喫茶店(Honolulu coffee というお店。世界的に展開している同名のカフェではなく地元の店ですが、エッグタルトで有名)で時間を潰して戻ってくることになりました。

開店時刻は大体11時〜12時頃みたいです。一部の店は時間が無くて開店まで待てませんでした……。

 

香港国際空港 免税エリア

そして帰り道。香港国際空港の免税エリアで驚愕しました。高級機種のオンパレードです。

SHUREのKSE1500やSennheiser IE800はもちろん、JH AUDIOのLAYLAまで! Final audio designやオーテク、SONYなどもあり、並の電器屋の品揃えではありません。

お値段も、KSE1500が日本円で30万円ほど。他の機首も相当お安いです。もう市内を巡る必要なんてなくて、ここで済むんじゃないかと思ってしまいました。

 

まとめ

そんなわけで、全体的に日本で買うよりはかなりお安くなっているようです。とりあえず、空港で免税店とは思えないマニアックな品揃えを見て楽しむのが良いかと思います。

 

ヘッドフォン祭2016秋に行ってきました!

さて、半年に一度の祭典、ヘッドフォン祭2016秋に行ってきました。会場はいつもの通り、中野サンプラザ。アクセスの悪さはいつもの通り。

 

今回は11時過ぎに中野につきました。ちょっと並びましたが、すぐに会場入りできました。うーん、ちょっと来場者が減っている気がします。ブームが去りつつあるのか……?。

前回、課題だったiPod Classicとは実は既にお別れしておりまして、iPod Touchを導入しました。Classic非対応機種が増えてきているのですが、今回は問題なくブースを回れました。

物販では、前回何とか我慢したKSE1500をやっぱり買ってしまいました。こんなことなら半年前に買っていても同じだったかも? ちゃんとしたレビューはまた後日。

 

以下、気になったもの試聴レビュー。今回は実り多き秋だった気がします。

 

Sennheiser HE-1

さて、Sennheiser超弩級コンデンサ型ヘッドフォン(+ドライバ)HE-1をようやく聴くことが出来ました。お値段なんと5万ユーロ。

さすがに音質は抜群です。レンジと音場の広さ、帯域バランスの良さ、音色の綺麗さ、正確さ。どれをとっても最高級品です。

何というか、Sennheiserコンデンサ型で作ったらこんな感じだろう、というそのままでした。

 

同じコンデンサ型の名器であるSTAX のSR-009と比較すると、音の再現性、緻密さや、レンジの広さではほぼ互角の勝負だと思います。どちらもコンデンサ型らしい、繊細な音色で、基本的なスペックでは世界最高の2つでしょう。

差がつくのは音場の部分で、これはHE-1に軍配があがります。SR-009は音場の広さ、明瞭さはそこまでではなく、耳元に近いところで展開します。音場だけで言うなら、HD800やK812に比べると厳しい部分があるのは否めません。(それでも十分高いレベルですが)

HE-1はそのHD800を凌ぐほどの包み込むような音場感です。ヘッドフォンと思えないほど広く、位置も明確です。ただ、ドライバを合わせても価格差が10倍ほどありますが……。

 

おいそれと手が出せるお値段でないことはたしかです。しかし、紛れもなく、現時点で世界最高のヘッドフォンでしょう。

 

FOCAL UTOPIA / ELEAR

さて、こちらも高価格なヘッドフォン。ダイナミック型です。UTOPIAは実売50万円超、ELEARでも15万円以上するのではないでしょうか。整理券を貰って試聴してみました。下の感想は基本的にUTOPIAのものです。

 

開放型らしく、抜けが良い音がします。レンジはかなり広く、下から上まで癖がない感じです。音場もそこそこ広く、綺麗な音色。欠点が見当たらない。

 

かなりモニター寄りの音がします。余韻が少なく、かっちりとした音作り。ソースの音をそのまま正確に出すことにかけては、他に並ぶ物がないでしょう。いうならばMDR-CD900STの音色で基礎能力を極限まで高めた印象です。

 

価格に見合うのかというと、割と難しいところ。単体50万円だと、HD800とPS1000eとT1を買ってもお釣りがきてしまうわけで……。SR-009A + SRM-727Aでもまだ余る。うーん。そこまでの価値があるかと言うと……。でも、凄く良い音がします。

 

ELEARはUTOPIAに比べると、コストパフォーマンスは抜群に良いかと思います。(それでもHD800より高いですが)値段は1/3ですが、音質的にそこまでの差はないかと思います。

 

オーディオテクニカ ATH-LS400

オーテクの新商品、BA4基搭載のイヤフォンです。

BA型らしからぬ音がします。前の、CKR10のときも驚きましたが、オーテクはけっこうな変化球を投げてきますね。

基礎性能はお値段なり。バランス的にはかなりロー上がりな印象を受けました。低音が不自然に膨らんでいる事はないですが、かなり存在感があります。帯域はそこまで広くないので、フルオケとかだと少し厳しいかもしれませんが、ロックやメタルは楽しく聴けそうな印象でした。

 

Sony NW-WM1Z

さて、天下のsonyが出した、30万円のDAP。Qualiaを彷彿とさせますね。

さて、本体は3Nの無酸素銅から削り出した筐体に金メッキを施したそうで、大変重たいです。iPod Classic + SU-AX7より重たい。

ボディに銅や金メッキを使って、何の意味があるのか担当者に尋ねたところ、本体のグラウンドとして機能しているとのこと。静電容量を増やしたいそうです。その際に、外部からの電波を拾って電圧がずれないようにしたい、と。金メッキはサビ防止のため。銅は錆びますからね。

百歩譲って無酸素銅の本体は意味があるかもしれませんが、金メッキは効果があるとは思えません。サビ防止だけなら他にいくらでも安価なメッキが出来ますし……。通電する箇所に金メッキをするのは抵抗値の関係で理解できるのですが、外側に露出している部分に施しても、効果は不明です。ちなみに低価格モデルのNW-WM1Aはアルミのため、軽いです。

 

さて、肝心の音質ですが、決して悪くはありません。バランスはややロー上がり。レンジは広いですし、音のきめ細かさも特筆物です。操作性も良く、直観的に使えます。ハイレゾ再生はもちろん、バランス出力も可能。

1Aでも音質の差はあまり感じませんでした。単体でこの音質なら、十分候補に入ってくるレベルじゃないかと思います。

ただ一点、なぜか独自端子です。なぜ普通のMicro USBとかじゃ駄目だったのか。妙に無駄なこだわりを感じる製品でした。

 

DITA Dream

シンガポールのメーカー、DITAの新フラグシップモデル。またプロト品とのことでした。

AnswerやTruthと同じく、ダイナミック1基のシンプルな構成。最近の高級イヤフォンの流れでは珍しいですね。

音質はかなり魅力的です。ダイナミック型の特長である艶やかな音色と、高い解像度を両立しています。バランスもかなりフラット。レンジもかなり広めです。唯一無二のものでしょう。個人的にはかなり好みです。

お値段は2000USドル程度とのこと。シンガポールドルじゃなくて? と確認したのですが、USとのことです。かなり高価な部類でライバルはカスタムばかりの価格帯ですが、十分勝負になるクオリティだと思います。

 

Westone W80

高級イヤフォンの老舗Westoneの新フラグシップ。ユニバーサルモデルです。BA8基とのことで、Masonに次ぐほどの物量。

バランスはロー上がり。音域レンジがやや狭いです。が、特筆すべきはその音色。ヴォーカルがここまで魅力的に聞こえるイヤフォンはほとんどないと思います。声が生々しく、それでいて品がある。ヴォーカルが持つちょっとした表現を余さず伝えてくれます。

レンジの狭さが逆に中音域を引き立てているような印象です。ヴォーカル重視なら一、二を争うほど有力な選択肢になる機種だと思います。

 

GRADO GS2000e

GRADOの名器、GS1000の後継機とのことです。見た目は2000と1000でほぼ変わらず。

さて、音色ですが、良くも悪くも、高級ヘッドフォンっぽくなりました。GRADOと言えば、PS1000をはじめ、暴れん坊なイメージなのですが、GS2000eはGRADOらしさを残しつつも、全体的に纏めてきた印象があります。

完成度が高くなった反面、ポテンシャルは減った気がします。個人的にはPS1000とかのほうが、特長が出ていて好きですが……。

 

JVC Kenwood SU-AX01

さて、期待のHPAです。SU-AX7の後継機、SU-AX01。DAC内蔵ヘッドフォンアンプ。

機能的に、DSD対応。バランス出力対応が目玉。また、Androidに対応。あと、再生中に充電しながら使うと高音質化するという珍しい機能を搭載しました。同軸のデジタル入力がある点も珍しいです。筐体は少し大きく、重くなりました。

そんなわけで、期待しながら聴いたのですが、うーん。

はっきり言って、AX7と同じ音がします。まあ、試聴環境のソースがDSDではないし、下流もシングルエンドのK3003なので、新機能を全然生かせていないのは事実です。が、ソースとイヤフォンが同じだと、ほとんど同じ音です。Edition7とEdition9よりも近い。

ブースにいた技術の人とも話しました。アンプ部はディスクリートにしたとのことですが……。

まあ、時代に合った機能拡張といったところです。基礎的なDAC、アンプのクオリティについては買い替えたいと思うほどの変化は感じられませんでした。

ただ、今でも私はSU-AX7は素晴らしいポタアンだと思っています。十分、今でも有力な選択肢になる機種です。

 

KuraDa KD-FP10 響

前々から、変な形のヘッドフォンがあるなあ、と思いつつも試していなかったのですが、今回初めて試聴しました。なんとなく、イロモノ風味が感じられたからです。

とんでもありませんでした。

見た目に反して(?)装着感は極めて良好。音色は暖かく精密で、音場も広め。レンジも広く、バランスもフラットです。基礎性能がかなり高いモデルです。

なんというか、"The 高級ヘッドフォン" という感じです。弱点がなく、高いレベルでまとまっています。一方で、特長が薄いため、どんなジャンルでも聴けるけど、どれもそこそこな魅力になってしまいます。万能とみるか、器用貧乏とみるか。

とはいえ、かなり高い性能を持った、素晴らしいヘッドフォンであることは間違いありません。

 

その他

STAXのブースで話をしたところ、フラグシップのドライバを作ろうとしているとのことでした。007tAや727Aの上のモデルになるようですが、とんでもない値段になるのは避けたい模様。出るのが楽しみです。

 

またLUXMANのブースに行って、プリアンプの導入を検討していると言ったところ、DA-250をなぜか強くプッシュされました。DA-06を持っていると言っているのに。不思議です。

 

まとめ

そんな感じで、今回は非常に魅力的な新作が多かったと思います。特にHE-1、Dream、W80などは他と一線を画した特長を持っており、それぞれの色が出ていて面白かったです。

個人的にはついにKSE1500を買ってしまいご満悦です。

ヘッドフォン祭2016春に行ってきました!

さて、半年に一度の祭典、ヘッドフォン祭2016春に行ってきました。毎度の通り、会場は中野サンプラザ

 

今回は12時を過ぎてから会場入りしました。さすがにこの時間だと長蛇の列ということも無く、すんなり上のフロアに上がれました。

今回の物販は、ShureのKSE1500がかなり安値で売っていたので思わず買ってしまいそうになりましたが、なんとか我慢しました。前回思いっきり散財しましたからね。

 

以下、気になった商品試聴レビュー

 

Ultrasone Tribute7

かつての名器、Edition7の復刻版のようなモデルです。会場ではTribute7とEdition7が並べて展示してありました。限定777台とのことですが、Ultrasoneの場合、Edition9といい、Edition5といい、信憑性はまったくありません。

見た目は色以外ほとんどEdition7と一緒です。今度のは青というか、紺色が基調。ケーブルは白く、撚ってあるのも違うところです。

音色ですが、手持ちのEdition9とほとんど同じ音がします。低音はタイトでありながらボリュームがあり、非常に魅力的。高音の突き刺さり方が少し大人しくなった気がします。分解能は相変わらず高いですが、音場などはこのレベルだと少し狭く、明確さにも欠けます。

機能として、ケーブルが着脱式になっているので、バランス化が容易です。2本のケーブルが付属するようですが、両方ともミニプラグなのはちょっと減点です。長い方は標準プラグで良かったのでは?

また、装着感が少し良くなっていた気がしました。眼鏡をかけていても、そんなに痛くありませんでした。

 

Sennheiser HD800S

Sennheiserのフラグシップ機、HD800のマイナーチェンジ版。

ドライバは変わっていないらしく、やはりHD800と同じ音がします。高音を抑えて、さらにフラットに近づけたとブースの方は言っていましたが、微少な差異です。

こちらはバランスケーブルとアンバランスケーブルが付属。HD800にバランスケーブルを買い足すよりは安いそうですが、すでにHD800を持っている人が改めて買う必要は無い気がします。

 

 

今回もカスタムIEMを多く聴きました。以下、代表的な物。

 

JH Audio Layla

カスタムIEMで有名なJH audioの、試聴したのはユニバーサルモデル。現在売られているイヤフォンの中では、ほぼ最高価格ではないでしょうか。

バスブースト機能がありますが、以下はすべてオフの状態でのもの。低音を持ち上げても、バランスは変わりますが、音が良くなる印象はありません。

かまぼこ形のバランス。音の分離は悪くはないですが、値段を考えると少し苦しい。音色はかなり厚みがある感じがしますが、音場が整理されていないので少しごちゃっとした印象があります。一つ一つの音がすごく魅力的なのですが……。

ちょっとアンバランスな感じがしますが、LaylaLaylaだけの音を鳴らしています。癖が強い分、堪らない人には換えが利かない機種になりそうです。

 

Anzieも試聴しましたが、こちらの方がもっとモニタ寄り。フラットですし分離も良いのですが、『普通のハイエンドイヤフォン』っぽい感じがします。

 

FIt ear aya -snow-

こちらもカスタムIEMの大手。Fit earの新製品(?)です。

Shureのイヤフォンみたいな音がします。低音寄りのバランスで、音場は狭め。音圧が高く、迫力はあります。

価格帯にも近いAirの方が魅力的ではないかと個人的には思います。Fit earは全体的に高音の抜けが良くないように聞こえるのですが、Airは出色の出来だと思います。

 

ONKYO IE-C3

天下のONKYOが出すカスタムIEMです。ドライバ数によってC1,C2,C3があります。

C3はかなり好印象の出来です。全体的に派手な印象がする、珍しいカナル型

バランスはややドンシャリ系。とはいえ、低音の膨らみは下品というほどではなく、高音もしゃりつかず綺麗に伸びます。音場や分離もそこそこ悪くありません。また、能率が非常に良いのか、音量が大きいと思います。

カスタムIEMでこんな元気な音は他に例を見ないというか、PS1000みたいなイメージでしょうか。あそこまで暴れ馬ではないですが。

 

また、IE-C2の方も聴いてみました。こちらはもう少しフラット寄り。特徴はないですが、基本性能の高さはこちらの方が判りやすいかも。

 

まとめ

そんな感じで聞いてきました。Tribute7はEdition7/9を持っていない人や、バランス化したい人には良いと思います。持っている人が改めて買う必要は無いと思いますが。

 

カスタムIEMはさらに群雄割拠という感じになってきましたが、個人的にはFit ear AirONKYO IE-C3 が音質、価格帯を加味すると魅力的なのではないかと思います。もちろん、K3003 + UM56 も、同レベルからそれ以上の魅力を持っています。

 

 もちろん、予算が許せばKSE1500が欲しいところではありますが………。